説明

%インピーダンスの基準容量の換算

%インピーダンスの値の見方と、基準容量をそろえて加える計算です。

%インピーダンス(百分率インピーダンス・%Z)は、変圧器や電源の内部インピーダンスを、基準容量と定格電圧に対する百分率で表した数です。短絡電流は %Z に反比例するので、%Z が小さい変圧器ほど短絡電流は大きくなります。

%Z の値

三菱電機の配電用油入変圧器の総合カタログは、特性[保証値]の表に短絡インピーダンス(%)の範囲を載せています(保証値は規格に従った裕度を見込んだ値で、短絡インピーダンスは範囲内)。次は EX-α シリーズの 50 Hz の例です。

相容量短絡インピーダンス
三相300 kVA2.6〜4.5 %
三相500 kVA2.6〜4.5 %
三相1,000 kVA3.6〜6.0 %
三相2,000 kVA4.5〜7.0 %
単相100 kVA2.7〜4.2 %
単相500 kVA4.2〜5.8 %

同じ 1000 kVA・210 V でも、%Z 3.6 % なら 76.4 kA、6.0 % なら 45.8 kAです。実際の変圧器の %Z が分からないうちは、範囲の小さい方で計算すると、大きい方の短絡電流になります。

基準容量の換算

%Z は基準容量に比例します。変圧器の %Z は自己容量(その変圧器の定格容量)が基準なので、ほかの機器の %Z と合わせるときは、同じ基準容量に直してから加えます。

%Z′ = %Z × 新しい基準容量 ÷ 元の基準容量

河村電器産業の技術資料の %インピーダンス法は 1000 kVA 基準です。1500 kVA で %Z 5.55 % の変圧器は、1000 kVA 基準では 5.55 × 1000 ÷ 1500 = 3.7 %です。

第一種電気工事士の令和8年度上期の学科試験(出題例・問8)は、配電用変電所の変圧器が 30 MVA 基準で 18 %、変電所から電源側が 10 MVA 基準で 2 %、高圧配電線が 10 MVA 基準で 3 % のとき、受電点から電源側の合成 %Z を 10 MVA 基準で問うています。変圧器の 18 % は 18 × 10 ÷ 30 = 6 %になり、6 + 2 + 3 = 11 %が正答です。

電源側の %Z を加えて計算の画面で求める

計算の画面の %インピーダンスの欄は、定格容量の欄の値を基準容量とした %Z です。電源側の %Z を加えるときは、変圧器の定格容量を基準容量にした値に直して加え、その合計を入力します。第三種電気主任技術者試験の令和5年度上期 電力(問16)なら、電源側の 5 %(100 MVA 基準)は 10 MVA 基準で 0.5 %、変圧器の 7.5 % と合わせて 8 %です。定格容量 10000、二次電圧 6600、%インピーダンス 8 を入力すると、推定短絡電流は 10.9 kAです。

%Z をそのまま加えてよいとき

%Z は、抵抗分(%R)とリアクタンス分(%X)からできています。数をそのまま加えてよいのは、%R と %X の比が等しいとき(令和8年度上期 出題例 問8 の「ただし」)か、抵抗分を無視するとき(第三種電気主任技術者 令和7年度下期 電力 問12)です。河村電器産業の技術資料は %R と %X を分けて加え、最後に大きさを求めています(Z = ZS + ZW =(0.671 + 0.261)+ j(3.142 + 0.238)≒ 3.506 %)。

出典

短絡電流を計算する