土質・浚渫船・施工水深を選び、純土量と浚渫区域の寸法を入力すると、扱い土量を計算します。
船種と施工水深から余掘厚・余掘幅と扱い土量
計算する量
国土交通省 港湾局の「3次元データを用いた港湾工事数量算出要領(浚渫工編)」(以下、数量算出要領)は、浚渫土量を扱い土量・純土量・余掘土量に分けて算出します。このアプリは、数量算出要領の表-2.1・表-2.2 から底面余掘厚と法面余掘幅を求め、次の量を計算します。
| 量 | 意味 | このアプリでの求め方 |
|---|---|---|
| 底面余掘厚・法面余掘幅 | 余掘の厚さと幅 | 土質・浚渫船・施工水深から表-2.1・表-2.2 で求める |
| 底面余掘土量 | 計画の底面の下を余分に掘る土量 | 底面積 × 底面余掘厚 |
| 法面余掘土量 | 計画の法面の外側を余分に掘る土量 | 法面余掘幅 × 法面の高さ × 法面の延長 × 法面の数 |
| 余掘土量 | 底面余掘と法面余掘の合計 | 底面余掘土量 + 法面余掘土量 |
| 扱い土量 | 純土量に余掘土量を加算した土量 | 純土量 + 余掘土量 |
入力する項目
- 土質: 表の土質の「普通土砂」か「岩盤」を選びます。
- 浚渫船: ポンプ浚渫船・グラブ浚渫船・バックホウ浚渫船から選びます。岩盤のポンプ浚渫船は表に値がないので、計算しません。
- 施工水深: 普通土砂のポンプ浚渫船とグラブ浚渫船は、底面余掘厚が施工水深で変わるので、施工水深を入力します。施工水深は平均水面(M.S.L.)から浚渫底面までの深さです。−7.5 と入力しても 7.5 と入力しても、深さ 7.5 m として計算します。
- 純土量: 平均断面法や3次元データ(TIN)で求めた純土量を入力します。
- 底面積・法面の数・法面の延長・法面の高さ: 底面積は計画の底面(施工水深の面)の面積です。法面の高さは、現況の海底から施工水深までの高さです。法面のない所は、法面の数で「なし」を選びます。
- 詳しい設定: 暫定水深の浚渫で余掘を見込まないとき(数量算出要領 2.1 (5))や、図面の水深が最低水面(C.D.L.)からの深さのときは、「詳しい設定」で選びます。最低水面からの水深には、Z0(最低水面から平均水面までの高さ)を加えて施工水深にします。
寸法や土量の欄には、初期値を入れていません。入力していない数値で計算結果が表示され、それに気づかないことを防ぐためです。土質と浚渫船は選んだものが画面に表示され、施工水深を入力すると、底面余掘厚と法面余掘幅が先に表示されます。
計算の例
普通土砂をポンプ浚渫船で浚渫し、図面の水深が最低水面から 7.5 m、Z0 が 1.2 m の場合です。純土量 52,000.0 m³、底面積 24,000 m²、両側の法面の延長 400 m・高さ 3.5 m とします。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 施工水深(7.5 + 1.2) | 8.7 m(−5.5〜−9.0 m未満) |
| 底面余掘厚(表-2.1) | 0.7 m |
| 法面余掘幅(表-2.2) | 6.5 m |
| 底面余掘土量(24,000 × 0.7) | 16,800.0 m³ |
| 法面余掘土量(6.5 × 3.5 × 400 × 2) | 18,200.0 m³ |
| 余掘土量 | 35,000.0 m³ |
| 扱い土量(52,000.0 + 35,000.0) | 87,000.0 m³ |
同じ現場で Z0 が 1.5 m なら、施工水深は 9.0 m になり、表-2.1 の列が「−9.0 m以上」に替わります。底面余掘厚は 1.0 m、底面余掘土量は 24,000.0 m³、扱い土量は 94,200.0 m³ です。施工水深の基準面を取り違えると、境目の近くでは余掘厚が変わります。
数の丸め
数量算出要領の表-2.4(数量のまとめ表)の注は、「数量の端数処理は、少数点第一位止めを原則とする(小数点第二位を四捨五入)」としています。このアプリは、純土量・底面余掘土量・法面余掘土量をそれぞれ小数第1位に四捨五入し、余掘土量と扱い土量は丸めた土量の和にしています。表-2.4 の記入例も、合計の欄は各欄の和になっています。
小数の計算は10進のまま行います。コンピューターの2進の小数では、たとえば 100.1 × 0.5 = 50.05 の四捨五入が 50.0 になることがありますが、このアプリでは 50.1 になります。
この計算に含まないもの
- 現況の海底に起伏がある所の余掘。数量算出要領の図-2.3〜2.5 のとおり、断面ごとに計算します(「余掘土量の計算方法」)。
- 既設岸壁前面の受働崩壊幅以内の浚渫の余掘厚。数量算出要領は「別途定める」としています。
- 岩盤の砕岩量(余砕厚 0.8 m・余砕幅 2.0 m)。砕岩後の浚渫量には、このアプリと同じ扱い土量・純土量・余掘土量の決まりを使います。
- 浚渫箇所が点在する場合の法面(側面)余掘と、土質が異なる層の法面余掘(北海道開発局のマニュアル(案))。
出典
船種と施工水深から余掘厚・余掘幅と扱い土量