表-2.1 の施工水深は平均水面からの深さです。最低水面からの水深には Z0 を加えます。
船種と施工水深から余掘厚・余掘幅と扱い土量
施工水深とは
数量算出要領の表-2.1 の注は、「施工水深は平均水面(M.S.L.)を基準とする浚渫底面の水深である」としています。底面余掘厚は、この施工水深で「−5.5m未満」「−5.5〜−9.0m未満」「−9.0m以上」の列に分かれます(普通土砂のポンプ浚渫船とグラブ浚渫船)。
最低水面・平均水面と Z0
海図の水深は、最低水面(C.D.L.)からの深さです。海上保安庁の海洋情報部技報は、平成14年4月に改正施行された水路業務法で、水深の基準が同施行令によって最低水面とされたことを説明しています。
海上保安庁の「平均水面、最高水面及び最低水面一覧表」の解説は、最低水面を「主要四分潮(M2,S2,K1,O1)の振幅の和だけ平均水面から下げて決定している」とし、「最低水面から平均水面までの高さを Z0 という」としています。平均水面は最低水面より Z0 だけ高いので、同じ海底でも、平均水面からの深さは最低水面からの深さより Z0 だけ大きくなります。
図面の水深の基準面(最低水面か平均水面か)は、図面の注記で確かめます。最低水面からの水深のときは、このアプリの「詳しい設定」で水深の基準を「最低水面(C.D.L.)から+Z0」にし、Z0 を入力します。
Z0 を加えるかどうかで変わる例
普通土砂のポンプ浚渫船の例です。右の列は、最低水面からの水深を、そのまま施工水深として入力した場合です。
| 最低水面からの水深 | Z0 | 施工水深 | 底面余掘厚 | Z0 を加えない場合 |
|---|---|---|---|---|
| 7.5 m | 1.2 m | 8.7 m | 0.7 m(−5.5〜−9.0 m未満) | 0.7 m(−5.5〜−9.0 m未満) |
| 7.5 m | 1.5 m | 9.0 m | 1.0 m(−9.0 m以上) | 0.7 m(−5.5〜−9.0 m未満) |
| 5.0 m | 0.95 m | 5.95 m | 0.7 m(−5.5〜−9.0 m未満) | 0.6 m(−5.5 m未満) |
| 4.5 m | 1.0 m | 5.5 m | 0.7 m(−5.5〜−9.0 m未満) | 0.6 m(−5.5 m未満) |
水深 7.5 m・Z0 1.5 m では、Z0 を加えると施工水深 9.0 m で「−9.0m以上」の列になり、底面余掘厚は 1.0 m です。加えないと 0.7 m になります。境目の近くでは、基準面の取り違えがそのまま余掘土量の違いになります。
Z0 の値
Z0 は港や地名ごとに、海上保安庁の一覧表に載っています。一覧表の例では、横浜 1.15 m、名古屋 1.40 m、大阪 0.95 m、神戸 0.95 m です。有明海の住ノ江は 2.80 m と大きく、日本海側の加賀・淀江は 0.15 m です。一覧表の値は改められることがあるので、使うときは最新の一覧表か、工事の図面の注記の値を使います。
このアプリは、Z0 を m で入力します。一覧表の値は 0.15〜2.80 m なので、cm の値(115 など)を入力したときに気づけるよう、5 m を超える Z0 では計算しません。
出典
船種と施工水深から余掘厚・余掘幅と扱い土量