照度計算(光束法)で迷いやすい所と、計算結果の扱いです。
光束法と逐点法は何が違いますか
光束法は、作業面全体の平均照度を求める計算です。逐点法は、光源からある点へ照射される光度(cd)から、その点の照度を方向ごと(法線・水平面・鉛直面)に求める計算です(岩崎電気 照明技術資料 2.1 逐点法による照度計算)。令和4年度 2級電気工事施工管理技術検定(後期)No.21 では、光束法を「光源又は照明器具の配光測定データを使用して、対象とする作業面内の各位置における直接照度を予測する計算方法」とした記述が、JIS 上不適当でした。
天井高さを入力してよいですか
室指数の H は、作業面から光源までの高さです。天井に付けた器具なら、天井高さから作業面の高さ(一般事務室 0.7〜0.8 m・和室 0.4 m・体育館や廊下 0 m)を引いて入力します。吊り下げる器具は、作業面から器具の光源までの高さです。
2灯用の器具はどう入力しますか
ランプを2本入れる器具(2灯用)なら、ランプ1本の光束の2倍を入力します(パナソニックの資料は、2灯用器具の光源の数を器具台数×2 として数えます)。
台数は四捨五入しますか
切り上げます。切り捨てや四捨五入をすると、平均照度が所要照度に届かないことがあります。器具の並べ方に合わせて台数を決めたときも、「台数から照度」で平均照度を確かめます。
照明率が 1 を超えていますが、合っていますか
照明率表の値が 1 を超えることはあります。岩崎電気の照明率表の例(TD17 図2.1)には 1.26 があります。「×0.01」の表なら、126 を 100 で割って 1.26 と入力します。
どのくらいの照度にすればよいですか
所要照度は、部屋の用途や作業で決めます。推奨照度は、日本産業規格 JIS Z 9110(照明基準総則)に書かれています。環境省の資料は、事務所の照度について、従来は JIS 基準の推奨値(750 ルクス)を満たすように設計されていたが、平成 23 年 5 月 9 日の改正で照度の範囲(事務所の場合 500〜1,000 ルクス)が明示された、と書いています。同じ資料は、労働安全衛生規則で精密な作業は 300 ルクス以上を満たさなければならない、としています。
検定の問題(令和3年度 1級 No.28)も、事務室の机上面の平均照度を 750 lx として台数を求めさせています。
照度が下がるのはどんなときですか
光束法の式では、器具1台の光束・照明率・保守率・台数が小さいほど、床面積が大きいほど、平均照度は下がります。照明率は、天井や壁の反射率が小さいほど、室指数が小さいほど小さくなります。
令和5年度 1級 No.28・令和7年度 1級 No.25 では、「室指数が大きいほど、照度は下がる」が不適当な記述でした。「作業面から光源までの高さが高いほど、照度は下がる」「天井面の反射率が小さいほど、照度は下がる」は適当な記述です。高いほど室指数が小さくなり、照明率も小さくなります。
計算結果の扱い
- 計算結果は作業面の平均照度と、その照度に要る台数です。場所ごとの照度(明るさのむら)は計算しません。
- 照明率と保守率は、使う器具の資料の値を入力します。このアプリは照明率表を収録していません。
- 最終の判断は、設計者・監理者が確かめてください。
出典
- 岩崎電気 照明技術資料 TD17「2.2 光束法による照度計算」(式-2・式-3・図2.1 照明率表の例)
- 岩崎電気 照明技術資料「2.1 逐点法による照度計算」
- パナソニック 照明設計サポート「平均照度の計算法」(光束法による平均照度の計算式・照明率・室指数・作業面・保守率)
- 一般財団法人 建設業振興基金「令和4年度 2級電気工事施工管理技術検定 第一次検定問題(後期) 正答肢・配点」〔No.21〕
- 環境省 SHIFT事業ウェブサイト「CO₂削減対策Navi」間引き消灯
- 一般財団法人 建設業振興基金「令和3年度 1級電気工事施工管理技術検定 第一次検定問題、正答肢」〔No.28〕
- 一般財団法人 建設業振興基金「令和5年度 1級電気工事施工管理技術検定 第一次検定問題、正答肢」〔No.28〕
- 一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級電気工事施工管理技術検定 第一次検定問題、正答肢」〔No.25〕