照明率表を引くための室指数を、間口・奥行・高さから求めます。
室指数は、照明率を求めるために使う数で、壁面積に対する床面積(=天井面積)で表します(岩崎電気 TD17 2.2.2)。
X × Y は床面積(=天井面積)、H ×(X + Y)は作業面から光源までの間の壁(4面)の面積の半分です。床と天井の面積の和 2 × X × Y を、その壁の面積 2 × H ×(X + Y)で割った値と同じで、部屋が広く低いほど大きく、狭く高いほど小さくなります。
H は作業面から光源までの高さ
室指数の高さは、作業面から光源(照明器具)までの高さです(パナソニック「平均照度の計算法」)。令和4年度 1級電気工事施工管理技術検定 No.28 も、「作業面から光源までの高さ」で室指数を求めさせています。岩崎電気の資料(TD17 2.2.2)の図は、間口 X・奥行 Y・天井高さ H の箱で描いています。
天井に付けた器具なら、天井高さから作業面の高さを引いた値です。作業面は、一般に机や作業台を含む水平面です。高さの目安は、一般事務室 0.7〜0.8 m(一般事務机は 0.75 m 前後)、和室 0.4 m(床上)、体育館や廊下 0 m(床)です(パナソニック「平均照度の計算法」)。
例: 天井高さ 2.7 m の事務室で机上面(床から 0.8 m)を作業面にするなら、H = 2.7 − 0.8 = 1.9 m です(電気設備学会の検討ケース2 の計算条件は、天井高さ 2.7 m・計算面高さ 0.8 m)。間口 6.4 m・奥行 12.8 m なら、室指数は 2.25 です。
室指数の例
| 間口 × 奥行(m) | H(m) | 室指数 | 照明率表の行 |
|---|---|---|---|
| 6 × 6 | 2.0 | 1.50 | 1.50 の行 |
| 10 × 8 | 2.0 | 2.22 | 2.00〜2.50 の間 |
| 10 × 15 | 2.0 | 3.00 | 3.00 の行 |
| 18 × 12 | 1.8 | 4.00 | 4.00 の行 |
| 20 × 20 | 2.0 | 5.00 | 5.00 の行 |
| 32 × 2 | 2.4 | 0.78 | 0.60〜0.80 の間 |
表の数は、上の式でこのページを作るときに計算した値です。いちばん下の 32 × 2 は、電気設備学会の検討ケース3 の共用廊下です。
同じ 10 m × 15 m の部屋でも、H が 1.5 mなら 4.00、H が 2 mなら 3.00、H が 3 mなら 2.00です。令和2年度 1級電気工事施工管理技術検定(学科試験)No.28 では、「作業面から光源までの高さが高いほど、室指数は大きくなる」が最も不適当な記述でした。高いほど室指数は小さくなります。
照明率表の行
照明率表は、室指数の決まった値ごとに行が並びます。令和4年度 1級 No.28 の表は 0.60・0.80・1.00・1.25・1.50・2.00・2.50・3.00・4.00・5.00 の10行で、それぞれに J・I・H・G・F・E・D・C・B・A の記号が付いています。岩崎電気の照明率表の例(TD17 図2.1)には、7.00・10.00 の行もあります。
計算の画面は室指数を小数2桁で表示し、照明率表のどの行にあたるか(「3.00 の行」「2.00 と 2.50 の行の間」)も表示します。行の間にあるときの読み方は、使う器具の資料で確かめてください。
令和2年度の同じ問題では、「室指数が小さいほど、照明率は小さくなる」は適当な記述です。細長い廊下は室指数が小さくなります。電気設備学会の検討ケース3(共用廊下 2.0 m × 32.0 m・天井高さ 2.4 m・床面で計算)の室指数は 0.78 で、照明率 0.29 で計算しています。
出典
- 岩崎電気 照明技術資料 TD17「2.2 光束法による照度計算」(式-2・式-3・図2.1 照明率表の例)
- パナソニック 照明設計サポート「平均照度の計算法」(光束法による平均照度の計算式・照明率・室指数・作業面・保守率)
- 一般財団法人 建設業振興基金「令和4年度 1級電気工事施工管理技術検定 第一次検定問題、正答肢」〔No.28〕
- 一般財団法人 建設業振興基金「令和2年度 1級電気工事施工管理技術検定(学科試験)」問題と正答肢〔No.28〕
- 電気設備学会 地球環境委員会「検討ケース2 高効率照明、照明の制御(オフィス専有部)」(計算根拠・LED 照明器具の保守率)
- 電気設備学会 地球環境委員会「検討ケース3 高効率照明、照明の制御(オフィス共用部)」(計算方法・計算根拠)