光束法の式で、平均照度と要る器具の台数を求める手順です。
光束法は、作業面の平均照度を求めたり、ある照度を得るのに必要な光源(照明器具)の数を求めたりするときに使われる計算方法です(岩崎電気 照明技術資料 TD17 2.2.1)。三菱電機照明の解説は、光束法を、器具の全ランプ光束と各種掛け率(照明率・保守率)を使って計算面 1 m² に入射する光束の量を求める方法としています。
平均照度の式(式-2)
床面積 A は、間口と奥行の積です(パナソニック「平均照度の計算法」)。器具 N 台の光束の合計(Φ × N)のうち作業面に届く割合が照明率 U、使ううちに下がる分を見込む係数が保守率 M です。それを床面積で割った値が、作業面の平均照度です。
台数の式
式-2 を N について解いた式で、パナソニックの資料では所要灯数の式です。令和5年度 2級電気工事施工管理技術検定(前期)No.21 でも、室の平均照度 E を得るのに必要な照明器具台数 N の式として「N=EA/FUM」が正答でした(F は照明器具1台あたりの光束)。
パナソニックの資料では、N は光源の個数で、2灯用器具の場合は器具台数 × 2 です。このアプリは器具の台数で数えるので、2灯用の器具は「器具1台の光束」にランプ1本の光束の2倍を入力します。計算結果の台数は同じです。
計算の手順
- 部屋の間口 X・奥行 Y と、作業面から光源までの高さ H から、室指数を求めます(式-3)。
- 使う器具の照明率表で、室指数の行と、天井・壁・床の反射率の列が交わる値を読み、照明率 U にします。
- 保守率 M を決めます(器具の資料の値・周囲環境・清掃の間隔)。
- 所要照度 E と器具1台の光束 Φ から台数 N を求め、割り切れなければ切り上げます。
- 決めた台数で、平均照度を計算し直します。
例(10 m × 8 m・500 lx)
間口 10 m・奥行 8 m(床面積 80 m²)の部屋で、作業面の平均照度を 500 lx にしたいとします。器具1台の光束 5,000 lm・照明率 0.6・保守率 0.7 なら、N = 500 × 80 ÷(5,000 × 0.6 × 0.7)= 19.05 台で、切り上げて 20 台です。20 台での平均照度は 5,000 × 0.6 × 0.7 × 20 ÷ 80 = 525 lxです。
19 台にすると 498.8 lxで、500 lx に届きません。台数は切り捨てずに切り上げます。
作業面から光源までの高さが 2 mなら、室指数は 10 × 8 ÷(2 ×(10 + 8))= 2.22 で、照明率表の 2.00 と 2.50 の行の間です。
保守率を見込む理由
国土交通省の建築設備設計基準(令和6年版)は、照明について「各室の照度は、求められる水平面の平均照度を維持できるように算定する」としています。岩崎電気の照明技術資料(TD16 4.2)は、光源の光束の低下や器具・室内の面の汚れで下がる照度を補うために、照明計算に保守率を見込み、必要な照度(維持照度)より高い値で計画する、としています。