説明

配管の摩擦損失水頭の計算(ウエストン公式・ヘーゼン・ウイリアムス公式)

口径 50mm 以下はウエストン公式、75mm 以上はヘーゼン・ウイリアムス公式です。

管の中を水が流れると、管の壁との摩擦でエネルギーが失われます。これを水の単位重量あたりの高さに直した物が、管の摩擦損失水頭です。八千代市の指針は、上水道の管路設計用として広く使われている式として、次の2つを挙げています。

ウエストン公式(口径 50mm 以下)

h =(0.0126 +(0.01739 − 0.1087d)÷ √v)× L/d × v²/2g h: 管の摩擦損失水頭(m) v: 管内平均流速(m/s) L: 管長(m) d: 管の実内径(m) g: 重力の加速度(9.8 m/s²)

鉛管、鋼管、亜鉛めっき鋼管、硬質塩化ビニル管など、管内面のなめらかな口径 50mm 以下の給水管の摩擦損失水頭を計算するときに、一般に使われている式です。

ヘーゼン・ウイリアムス公式(口径 75mm 以上)

h = 10.666 × L × Q^1.85 ÷(C^1.85 × d^4.87) h: 管の摩擦損失水頭(m) L: 管長(m) Q: 流量(m³/s) d: 管の実内径(m) C: 流速係数

口径 75mm 以上の鋳鉄管、鋼管に一般に使われている式です。流速係数 C は管内の粗度で変わり、八千代市の指針の表Ⅸ-2-3(出典は土木学会編 水理公式 昭和46年改訂版)は次の値です。

代表的管種C 値管内面の状態
新しい塩化ビニル管145〜155きわめて平滑
なめらかなコンクリート管140(コンクリート管の最大値)
新しい鋳鉄管130塗装しない状態
古い鋳鉄管100塗布しない古い鋳鉄管
きわめて古い鋳鉄管60〜80はなはだしくさびコブ発生

表の「同等な管種」の欄は次のとおりです(同じ C を使う管)。

塩化ビニル管では、流速が 1.5 m/s 程度以上あれば C=145〜155 を使い、口径 50mm 以下にもヘーゼン・ウイリアムス公式を使えます(同じ指針)。計算の画面の一覧は、幅のある管を小さい方の C(摩擦損失が大きくなる側)にしています。

内径 100 mm・流量 1,000 L/min・管 100 m で C だけを替えると、摩擦損失水頭は次のとおりです。

管の種類C摩擦損失水頭
新しい塩化ビニル管1454.07 m
なめらかなコンクリート管1404.35 m
新しい鋳鉄管1304.98 m
古い鋳鉄管1008.10 m
きわめて古い鋳鉄管6020.84 m

どちらの式を使うか

計算の画面の「口径で選ぶ」は、管の実内径 50 mm 以下をウエストン公式、75 mm 以上をヘーゼン・ウイリアムス公式で計算します。指針の決まりは口径で書かれていて、その間(50 mm を超え 75 mm 未満)には決まりがありません。そこでは2つの式で計算して、大きい方(全揚程を小さく見積もらない側)を使います。例: 内径 65 mm・300 L/min・管 39 m では、ウエストン公式 1.46 m、ヘーゼン・ウイリアムス公式(C=130)1.71 m で、1.71 m を使います。

「詳しい設定」で、どちらかの式に決めることもできます。ウエストン公式は、指針がヘーゼン・ウイリアムス公式を使うとしている 75 mm 以上には使いません。

動水勾配

損失水頭とその距離との比を動水勾配といい、千分率(‰)で表します(八千代市の指針)。管延長 10 m で損失水頭が 3 m なら 300 ‰、動水勾配 200 ‰ で 30 m 流れれば損失水頭は 6 m です。計算の画面の「計算の内訳」に、計算した管の動水勾配を表示します。

内径と摩擦損失(同じ流量で比べる)

流量 100 L/min・管 30 m で、内径だけを替えると次のとおりです(ウエストン公式)。

内径流速動水勾配摩擦損失水頭
25 mm3.40 m/s484 ‰14.51 m
32 mm2.07 m/s152 ‰4.57 m
40 mm1.33 m/s54 ‰1.61 m
50 mm0.85 m/s19 ‰0.56 m

内径が細くなると流速が上がり、摩擦損失は急に大きくなります。

指針の流量表と比べる

八千代市の指針の流量表(2.4)は、管径 50mm 以下をウエストン公式、管径 75〜150mm を新しい鋳鉄管(C=130)のヘーゼン・ウイリアムス公式で算出した表で、水頭 H と管延長 L から流量 Q を引けます。水頭 H=10 m の行の流量をこのアプリの式に代入すると、摩擦損失水頭は表の水頭 10 m とほぼ同じになります。

管径管延長表の流量摩擦損失
13 mm30 m0.249 ℓ/s10.05 m
20 mm20 m0.953 ℓ/s10.02 m
40 mm30 m4.62 ℓ/s10.03 m
50 mm50 m6.27 ℓ/s10.04 m
75 mm100 m11.39 ℓ/s10.01 m
100 mm100 m24.28 ℓ/s10.00 m
150 mm100 m70.6 ℓ/s10.00 m

表の流量は3けたに丸めた値なので、計算した摩擦損失水頭は表の水頭と少しずれます。

出典

ポンプの揚程を計算する