口径 50mm 以下はウエストン公式、75mm 以上はヘーゼン・ウイリアムス公式です。
管の中を水が流れると、管の壁との摩擦でエネルギーが失われます。これを水の単位重量あたりの高さに直した物が、管の摩擦損失水頭です。八千代市の指針は、上水道の管路設計用として広く使われている式として、次の2つを挙げています。
ウエストン公式(口径 50mm 以下)
鉛管、鋼管、亜鉛めっき鋼管、硬質塩化ビニル管など、管内面のなめらかな口径 50mm 以下の給水管の摩擦損失水頭を計算するときに、一般に使われている式です。
ヘーゼン・ウイリアムス公式(口径 75mm 以上)
口径 75mm 以上の鋳鉄管、鋼管に一般に使われている式です。流速係数 C は管内の粗度で変わり、八千代市の指針の表Ⅸ-2-3(出典は土木学会編 水理公式 昭和46年改訂版)は次の値です。
| 代表的管種 | C 値 | 管内面の状態 |
|---|---|---|
| 新しい塩化ビニル管 | 145〜155 | きわめて平滑 |
| なめらかなコンクリート管 | 140 | (コンクリート管の最大値) |
| 新しい鋳鉄管 | 130 | 塗装しない状態 |
| 古い鋳鉄管 | 100 | 塗布しない古い鋳鉄管 |
| きわめて古い鋳鉄管 | 60〜80 | はなはだしくさびコブ発生 |
表の「同等な管種」の欄は次のとおりです(同じ C を使う管)。
- 新しい塩化ビニル管: 黄銅、すず、鉛、ガラス管
- なめらかなコンクリート管: 石綿セメント管、きわめて良好な鋳鉄管、使用した塩化ビニル管、遠心力セメントライニングの下限値
- 新しい鋳鉄管: モルタル、れんが工、平滑な本管、遠心力コンクリート管
- 古い鋳鉄管: 陶管(うわぐすりなし)、やや古いビョウ接鋼管
塩化ビニル管では、流速が 1.5 m/s 程度以上あれば C=145〜155 を使い、口径 50mm 以下にもヘーゼン・ウイリアムス公式を使えます(同じ指針)。計算の画面の一覧は、幅のある管を小さい方の C(摩擦損失が大きくなる側)にしています。
内径 100 mm・流量 1,000 L/min・管 100 m で C だけを替えると、摩擦損失水頭は次のとおりです。
| 管の種類 | C | 摩擦損失水頭 |
|---|---|---|
| 新しい塩化ビニル管 | 145 | 4.07 m |
| なめらかなコンクリート管 | 140 | 4.35 m |
| 新しい鋳鉄管 | 130 | 4.98 m |
| 古い鋳鉄管 | 100 | 8.10 m |
| きわめて古い鋳鉄管 | 60 | 20.84 m |
どちらの式を使うか
計算の画面の「口径で選ぶ」は、管の実内径 50 mm 以下をウエストン公式、75 mm 以上をヘーゼン・ウイリアムス公式で計算します。指針の決まりは口径で書かれていて、その間(50 mm を超え 75 mm 未満)には決まりがありません。そこでは2つの式で計算して、大きい方(全揚程を小さく見積もらない側)を使います。例: 内径 65 mm・300 L/min・管 39 m では、ウエストン公式 1.46 m、ヘーゼン・ウイリアムス公式(C=130)1.71 m で、1.71 m を使います。
「詳しい設定」で、どちらかの式に決めることもできます。ウエストン公式は、指針がヘーゼン・ウイリアムス公式を使うとしている 75 mm 以上には使いません。
動水勾配
損失水頭とその距離との比を動水勾配といい、千分率(‰)で表します(八千代市の指針)。管延長 10 m で損失水頭が 3 m なら 300 ‰、動水勾配 200 ‰ で 30 m 流れれば損失水頭は 6 m です。計算の画面の「計算の内訳」に、計算した管の動水勾配を表示します。
内径と摩擦損失(同じ流量で比べる)
流量 100 L/min・管 30 m で、内径だけを替えると次のとおりです(ウエストン公式)。
| 内径 | 流速 | 動水勾配 | 摩擦損失水頭 |
|---|---|---|---|
| 25 mm | 3.40 m/s | 484 ‰ | 14.51 m |
| 32 mm | 2.07 m/s | 152 ‰ | 4.57 m |
| 40 mm | 1.33 m/s | 54 ‰ | 1.61 m |
| 50 mm | 0.85 m/s | 19 ‰ | 0.56 m |
内径が細くなると流速が上がり、摩擦損失は急に大きくなります。
指針の流量表と比べる
八千代市の指針の流量表(2.4)は、管径 50mm 以下をウエストン公式、管径 75〜150mm を新しい鋳鉄管(C=130)のヘーゼン・ウイリアムス公式で算出した表で、水頭 H と管延長 L から流量 Q を引けます。水頭 H=10 m の行の流量をこのアプリの式に代入すると、摩擦損失水頭は表の水頭 10 m とほぼ同じになります。
| 管径 | 管延長 | 表の流量 | 摩擦損失 |
|---|---|---|---|
| 13 mm | 30 m | 0.249 ℓ/s | 10.05 m |
| 20 mm | 20 m | 0.953 ℓ/s | 10.02 m |
| 40 mm | 30 m | 4.62 ℓ/s | 10.03 m |
| 50 mm | 50 m | 6.27 ℓ/s | 10.04 m |
| 75 mm | 100 m | 11.39 ℓ/s | 10.01 m |
| 100 mm | 100 m | 24.28 ℓ/s | 10.00 m |
| 150 mm | 100 m | 70.6 ℓ/s | 10.00 m |
表の流量は3けたに丸めた値なので、計算した摩擦損失水頭は表の水頭と少しずれます。