熱橋・下地の面材・付加断熱・窓・UA値・計算書について、資料の決まりをまとめました。
層の厚さと熱伝導率から熱貫流率(U値)
柱や間柱などの熱橋は、どう計算しますか
このアプリは断面構成が同一である部分の熱貫流率を求めます。熱橋は構造ごとに、住宅の技術情報 第三章第三節の次の方法で扱います。
- 木造:断熱部分と熱橋部分の熱貫流率を、それぞれこのアプリの式で求め、面積比率で平均します(5.1.1 式(1)・表 3〜表 6)。例は「熱貫流率の計算例」の木造の外壁(0.433 W/(m²·K))です。
- 鉄骨造:断熱部分の熱貫流率 Ug に、「外装材+断熱補強材」の熱抵抗で決まる補正熱貫流率 Ur(表 7)を加えます(5.1.3 式(3))。
- 鉄筋コンクリート造等:一般部位の熱貫流率は、断面構成が同一である部分の熱貫流率に等しいとします(5.1.2)。熱橋は線熱貫流率(付録 C)で別に計算します。
仕上げの下地の面材も、層に含めますか
住宅の技術情報 5.1.4 は、「仕上げ等の下地材となる面材については、計算の簡略化のため無いものとみなし計算を行うことができる」としています。含めないと熱貫流抵抗が小さくなるので、熱貫流率は少し大きい値になります。
付加断熱で、下地材が断熱材を貫通するときは
木造の外張断熱・付加断熱で、下地材などにより断熱材を貫通する熱橋部があるときは、外張断熱・付加断熱の断熱材の熱抵抗に 0.9 を乗じて計算します(5.1.4)。このアプリでは、d/λ に 0.9 を掛けた値を「熱抵抗を入力(空気層など)」の行に入力します。押出法ポリスチレンフォーム 保温板 3種(λ 0.028)50 mm なら、1.786 × 0.9 = 1.607 m²·K/W です。
熱伝導率は、どの値を使いますか
住宅の技術情報 5.1.4 は、建材等の熱伝導率と熱抵抗を、JIS 表示品なら JIS に定める値とするほか、JIS の試験方法で試験した市場流通品の値、JIS の計算方法で計算した値、または付録 A の値を使えるとしています。付録 A 表 2 の値は、JIS 表示品であることを確認できた場合だけ使えます。厚さは実寸法です。
窓やドアの熱貫流率も計算できますか
このアプリは、壁・屋根・天井・床のように層が重なった部位の計算です。窓やドアの熱貫流率は、JIS A 4710 などの試験、JIS A 2102-1・JIS A 2102-2 などの計算方法で求めた値か、付録 B の値を使います(住宅の技術情報 第三章第三節 5.2.5)。
外皮平均熱貫流率(UA値)とは、どう関係しますか
部位の熱貫流率は、外皮平均熱貫流率を求める材料の1つです。国土交通省の資料は、外皮平均熱貫流率 UA = Σ(部位の面積 × 部位の熱貫流率 × 温度差係数)÷ 外皮面積の合計 としています。温度差係数は、外気または外気に通じる空間(小屋裏・天井裏等)が 1.0、外気に通じる床下が 0.7 です(鉄骨造 住宅版の計算表の注)。
エクセルで計算書を作るときは
国土交通省の資料の「部位熱貫流率計算」の表は、層ごとに熱伝導率 λ・厚さ d(m)・d/λ を並べ、表面熱伝達抵抗 Rsi と Rse の行を加えて、熱貫流抵抗 ΣR と熱貫流率 Un = 1/ΣR を求める形です。厚さは m で書き(mm なら 1,000 で割る)、合計は丸めない値で求めます。このアプリの「計算の内訳」も、同じ並びの表を表示します。
非住宅で、手計算した熱貫流率を使えますか
建築研究所「壁の熱貫流率の算出方法について」によると、非住宅のプログラムで、解説書の「建材物性値一覧」に定義されていない特殊な建材(ALC パネル等)を使う場合等は、壁の熱貫流率を手計算して入力してもよいとされています。ただし、計算の根拠を別途提出する必要があります。
出典
- 建築研究所「平成28年省エネルギー基準に準拠したエネルギー消費性能の評価に関する技術情報(住宅)」第三章 第三節 熱貫流率及び線熱貫流率 Ver.27(2026.10)
- 国土交通省「住宅の省エネルギー基準と外皮性能の評価方法 2026 鉄筋コンクリート造 共同住宅版」(令和8年3月版)
- 国土交通省「住宅の省エネルギー基準と外皮性能の評価方法 2026 鉄骨造 住宅版」(令和8年8月版)
- 一般社団法人 住宅生産団体連合会「建築物省エネ法 省エネ基準に基づく省エネ計算 演習事例 計算結果 及び 添付資料 1」(令和2年度 第1版・国土交通省のホームページに掲載)
- 建築研究所「壁の熱貫流率の算出方法について」(最終更新日 2020/4/1)
層の厚さと熱伝導率から熱貫流率(U値)