空気層は、厚さと熱伝導率ではなく、決められた熱抵抗の値で計算します。
層の厚さと熱伝導率から熱貫流率(U値)
住宅の空気層の熱抵抗(付録 A 表 4)
住宅の技術情報 第三章第三節 5.1.4 は、「層が空気層の場合、当該層の熱抵抗は、付録 A に定める値とする」としています。空気層は厚さと熱伝導率ではなく、決められた熱抵抗で計算します。付録 A 表 4「外皮の内側にある空気層の熱抵抗」の値は次のとおりです。
| 空気層の種類 | 熱抵抗 Ra(m²·K/W) |
|---|---|
| 面材で密閉された空気層 | 0.09 |
| 他の空間と連通していない空気層 | 0 |
| 他の空間と連通している空気層 | 0 |
- 面材で密閉された空気層には、工場生産された製品の内部や、耐力面材を施工した耐力壁内部に存する空気層等が含まれます(表 4 の注 ※1)。
- 他の空間と連通していない空気層は、空気層よりも室内側の建材の熱抵抗値を加算できます(※2)。
- 他の空間と連通している空気層は、空気層よりも室内側の建材の熱抵抗値を加算できません(※3)。
非住宅の非密閉空気層
非住宅の計算方法の解説(エネルギー消費性能の算定方法の解説 附属書 A.1)は、構成材料が「非密閉空気層」である場合、その熱抵抗(l/λ)を 0.09 m²·K/W とします。建築研究所の壁の例題も、非密閉中空層の熱抵抗 R = 0.09 を加えて 0.981 を求めています。
このアプリでの入力
空気層の行は「熱抵抗を入力(空気層など)」を選び、熱抵抗 R に値を入力します。熱抵抗が 0 の空気層は、0 と入力しても、行を入力しなくても、熱貫流率は同じです。
国土交通省の鉄骨造の外壁の計算表は、密閉中空層の行に「数値の加算をしない」と書き、熱貫流率 0.328 を求めています。このアプリでその行を熱抵抗 0 として計算しても 0.328 です。
通気層に接する部位
外壁や屋根の外側の通気層は、表 4 の空気層ではなく、表面熱伝達抵抗で扱います。熱的境界の外側が通気層に接するときは、表 3.1 の「左記以外の場合」の値(外壁 0.11・屋根 0.09)を外気側の表面熱伝達抵抗に使います。このアプリでは「外壁(通気層等)」「屋根(通気層等)」を選びます。
このとき、通気層とその外側の外装材は熱的境界の外側にあるので、層に含めません。住団連の演習事例の木造の外壁も、外気側の表面熱伝達抵抗を 0.110 とし、層は断熱材(熱橋部は柱・間柱の木材)だけで計算しています。鉄骨造の補正熱貫流率の表 7 の注にも「通気層がある場合は、外装材の熱抵抗を加算することはできない」とあります。
出典
- 建築研究所「平成28年省エネルギー基準に準拠したエネルギー消費性能の評価に関する技術情報(住宅)」第三章 第三節 熱貫流率及び線熱貫流率 Ver.27(2026.10)
- エネルギー消費性能の算定方法の解説(非住宅建築物)第2章 空気調和設備 附属書 A.1 外壁等の熱貫流率の算出方法(建築研究所の技術情報のページから公開)
- 建築研究所「壁の熱貫流率の算出方法について」(最終更新日 2020/4/1)
- 国土交通省「住宅の省エネルギー基準と外皮性能の評価方法 2026 鉄骨造 住宅版」(令和8年8月版)
- 一般社団法人 住宅生産団体連合会「建築物省エネ法 省エネ基準に基づく省エネ計算 演習事例 計算結果 及び 添付資料 1」(令和2年度 第1版・国土交通省のホームページに掲載)
層の厚さと熱伝導率から熱貫流率(U値)