熱伝導率は材料の値、熱抵抗は層の値、熱貫流率は部位全体の値です。
層の厚さと熱伝導率から熱貫流率(U値)
熱伝導率 λ(W/(m·K))
材料の中の熱の伝わりやすさを表す、材料ごとの値です。厚さには関係しません。住宅の技術情報 付録 A 表 1 の値の例は、コンクリート 1.6・セメント・モルタル 1.5・合板 0.16・天然木材 0.12・高性能グラスウール断熱材 16K 相当 0.038・押出法ポリスチレンフォーム 保温板 3種 0.028・硬質ウレタンフォーム 保温板 2種 1号 0.023 です。
熱抵抗 R(m²·K/W)
層の熱の伝わりにくさで、厚さ d(m)を熱伝導率 λ で割って求めます。同じ材料なら厚いほど、同じ厚さなら熱伝導率が小さいほど大きくなります。高性能グラスウール断熱材(λ 0.038)100 mm なら 0.100 ÷ 0.038 = 2.632 m²·K/W です。空気層や、熱抵抗が示された製品は、その値を使います。
表面熱伝達率と表面熱伝達抵抗
表面熱伝達率は、部位の表面と周囲の空気の間の熱の移りやすさ(W/(m²·K))です。その逆数が表面熱伝達抵抗(m²·K/W)で、熱貫流率の計算では室内側 Rsi と外気側 Rse を使います(住宅の技術情報 第三章第一節 3.78・付録 A 表 3.1)。
熱伝達率と熱伝導率は名前が似ていますが、別の値です。熱伝導率は材料の中の熱の伝わりやすさで、単位も W/(m·K) と違います。建築研究所「壁の熱貫流率の算出方法について」の古い版は λ を「熱伝達率」と書いていましたが、2020 年 4 月 1 日の版では「熱伝導率」です。
熱貫流抵抗と熱貫流率 U(W/(m²·K))
熱貫流抵抗は、表面熱伝達抵抗と層の熱抵抗をすべて合計した値(m²·K/W)です。熱貫流率 U はその逆数で、「内外の温度差1度の場合において1平方メートル当たり貫流する単位時間当たりの熱量」です(第一節 3.74)。熱貫流抵抗が大きいほど、熱貫流率は小さくなります。
建築研究所の例題は熱貫流率を K と書いています(式の記号は U)。単位の書き方も資料によって W/m²K、W/m2 K、W/(m²·K) と違いますが、同じ単位です。
関係のまとめ
- 熱抵抗 R = 厚さ d ÷ 熱伝導率 λ
- 熱貫流抵抗 = Rsi + 層の熱抵抗の合計 ΣR + Rse
- 熱貫流率 U = 1 ÷ 熱貫流抵抗
建築研究所の例題の壁では、層の熱抵抗の合計が 0.869 m²·K/W、表面熱伝達抵抗が 0.110 と 0.040、熱貫流抵抗が 1.019 m²·K/W、熱貫流率が 0.981 W/(m²·K) です。
出典
層の厚さと熱伝導率から熱貫流率(U値)