マニングの式は、流速を粗度係数・径深・勾配から求める式です。
マニングの式(マニング公式)は、ポンプを使わずに勾配で水を流す自然流下の管きょで、平均の流速を求める式です。生駒市排水施設基準は「管渠の流量計算には、マニング公式を採用する」とし、長野県土木事業設計基準も、自然流下の流量計算には一般に Manning 式か Kutter 式を用いるとしています。
- Q: 流量(m³/s)
- A: 流水の断面積(m²)
- V: 流速(m/s)
- n: 粗度係数
- R: 径深(m)= A ÷ P
- P: 流水の潤辺長(m)
- I: 勾配(分数又は小数)
記号の意味は、生駒市排水施設基準の「6 流量計算」と長野県土木事業設計基準の式(3.1.1)の字のとおりです。流量は流水の断面積と流速の積で、流速は粗度係数 n・径深 R・勾配 I の3つで決まります。
径深 R と潤辺長 P
潤辺長 P は、流れの断面のうち、水が管の内面に接している部分の長さです。径深 R は、流水の断面積 A を潤辺長 P で割った長さです。式のとおり、流速は R の 2/3 乗に比例するので、同じ断面積なら壁に接する長さが短いほど速く流れます。
円形管が満流のとき(管の中が水でいっぱいのとき)は、A = π × d² ÷ 4、P = π × d なので、R = d ÷ 4 です(d は内径・アロン化成の技術資料)。内径 200 mm(d = 0.2 m)なら、A = 0.03142 m²、P = 0.6283 m、R = 0.05000 m です。
勾配 I の入力のしかた
式の I は分数か小数です(長野県土木事業設計基準「I:こう配(分数又は少数)」)。下水道の管きょの勾配は ‰(パーミル・1,000 分の1)で書くことが多く、3 ‰ は I = 0.003、% なら 100 で割るので 0.3 % も I = 0.003 です。長野県の基準は、理論的には水面こう配をとるべきところを、背水などの影響は無いものとして、管きょ底のこう配を用いるとしています。
勾配と流速の関係
流速は勾配 I の平方根に比例します。内径 200 mm・粗度係数 0.013 の満流で、勾配が 3 ‰ なら流速 0.572 m/s、2倍の 6 ‰ なら 0.809 m/s で、√2 ≒ 1.414 倍です。勾配だけを替えると次のとおりです。
| 勾配 | I | 流速 V | 流量 Q |
|---|---|---|---|
| 2 ‰ | 0.002 | 0.467 m/s | 0.0147 m³/s |
| 3 ‰ | 0.003 | 0.572 m/s | 0.0180 m³/s |
| 5 ‰ | 0.005 | 0.738 m/s | 0.0232 m³/s |
| 10 ‰ | 0.01 | 1.044 m/s | 0.0328 m³/s |
| 20 ‰ | 0.02 | 1.476 m/s | 0.0464 m³/s |
勾配を緩くすると流速が遅くなり、管きょの底に沈殿物がたまりやすくなります。長野県の基準は、下流に行くに従って流速を漸増させ、こう配はしだいに緩くするとしています(流速の範囲は「下水道の流量計算書の見方」)。
マニング式とほかの式
長野県土木事業設計基準は、流量の計算に Manning 式・Kutter 式・Hazen・Williams 式のいずれかを用いるとし、自然流下では一般に Manning 式か Kutter 式、圧送式では Hazen・Williams 式を用いるとしています。このアプリはマニング公式で計算します。ポンプで送る圧送管の損失は、このアプリでは計算しません。