塗装面積は、断面の外周に長さと本数を掛けて出します。
計算式
鉄骨の部材は細長いので、表面の面積は「断面のまわりの長さ(外周)」に長さを掛けた面積です。切断した端の面(小口)は足しません(公共建築数量積算基準の錆止め塗装の数え方と同じ)。鋼管と角形鋼管は外面だけを数えます。
H形鋼
角が直角なら、外周はフランジの外側 2B・フランジの先 4×t2・フランジの内側 2(B − t1)・ウェブの両面 2(H − 2t2) の和で、2H + 4B − 2t1 です。ウェブとフランジの付け根の4つの丸みは、1つで (2 − π/2)r = 0.4292r ずつ外周を短くするので、4つで 1.717r を引きます。
例: H形鋼 300×150×6.5×9 r13 は 2×300 + 4×150 − 2×6.5 − 1.717×13 = 1,164.7 mm、1m当たり 1.165 m²/m です。r を空欄にすると 1,187.0 mm です。
溝形鋼
圧延の溝形鋼は、フランジの内面に勾配があり、先が薄く付け根が厚くなっています(日本橋梁建設協会の溝形鋼の表の注は「フランジを高力ボルトで締め付ける時は、テーパー座金が必要となる」)。t2 はフランジの真ん中の厚さです。この計算は勾配を 5° として、勾配の付いた内面の長さと、先と付け根の厚さの差まで入れた外周を出します(1.833 = 2 × (1/cos5° − tan5°))。
勾配が 5° だと、付け根と先の角は直角ではなく 95° になります。95° の角を半径 r で丸めると外周は 0.3491r 短くなり(2r/tan47.5° − 85°の弧)、断面積は 0.1746r² 増えます。2つの角で 0.349r² になり、JIS の溝形鋼の断面積の式の係数 0.349 と同じです。
例: 溝形鋼 150×75×6.5×10 r1 10・r2 5 の外周は 565.1 mm、1m当たり 0.565 m²/m・1kg当たり 0.0304 m²/kg です。
山形鋼
角が直角なら、外周は外側の2辺 A + B・内側の2辺 (A − t) + (B − t)・先の2つの厚さ 2t の和で、2(A + B) です。付け根の丸み r1 は1つ、先の内側の丸み r2 は2つあるので、(2 − π/2)(r1 + 2r2) を引きます。JIS の山形鋼の断面積の式の係数 0.215(= 1 − π/4)も、角が直角の丸みの値です。
例: L-65×65×6 に r1 8.5・r2 4 を打つと(r は例として打った数)、外周は 252.9 mm、1m当たり 0.253 m²/m です。r を空欄にすると 260.0 mm です。
山形鋼は、塗装面積の載った公の表が見つからなかったため、表との突き合わせをしていません。式は、H形鋼と溝形鋼で表と一致したのと同じ数え方(形の外周から丸みの弧を引く)です。
角形鋼管・鋼管・平鋼
角形鋼管の角の丸みは、日本橋梁建設協会の角形鋼管の表の注のとおり、厚さの中心で 1.5t(外側で 2t)として数えます。4つの角は、1つで (2 − π/2)×2t ずつ外周を短くするので、4つで 4(4 − π)t = 3.434t です。JIS G 3466 の断面積の式の 3(4 − π)t² も、外側 2t・内側 t の丸みの値です。
例: □-100×100×3.2 は 389.0 mm(0.389 m²/m)、鋼管 114.3×4.5 は π × 114.3 = 359.1 mm(0.359 m²/m)、平鋼 50×9 は 2 ×(50 + 9)= 118.0 mm です。鋼管と角形鋼管の内面は、閉じた管なら塗らないので数えません。
1kg当たりの面積と係数(1t当たり)
断面積は JIS の断面積の算出式で出します。H形鋼は t1(H − 2t2) + 2Bt2 + 0.858r²、溝形鋼は Ht1 + 2t2(B − t1) + 0.349(r1² − r2²)、山形鋼は t(A + B − t) + 0.215(r1² − 2r2²)、角形鋼管は 2t(A + B − 2t) − 3(4 − π)t²、鋼管は πt(D − t)、平鋼は幅 × 厚さです。鋼材の重量計算と同じ式と比重(7.85)なので、同じ寸法なら同じ単位質量になります。
例: H形鋼 300×150×6.5×9 r13 は単位質量 36.72 kg/m で、1kg当たり 1.1647 ÷ 36.72 = 0.0317 m²/kg、係数(1t当たり)は 31.7 m²/t です。
表との突き合わせ
日本橋梁建設協会の表の塗装面積(m²/kg)と、この計算の1kg当たりを、H形鋼40・溝形鋼16・角形鋼管45・鋼管12の断面で比べ、表の桁(小数第4位)まで全部同じ数になることを確かめています。表の1kg当たりは、表に丸めて書いてある単位質量ではなく、断面積から出した丸める前の単位質量で割った数と一致します。
溝形鋼は、フランジの勾配を入れずに角を直角で数えると、外周が 0.8〜1.7% 長く出て表と合いません。勾配を 4° や 6° にしても表と合わない断面があり、5° のときだけ16の断面が全部一致します。