ロス率(割増率)は発注者の積算基準や設計書で決まり、4〜30% と幅があります。
改良する体積と添加量から、固化材のトン数と袋数
ロス率(割増率)の例
ロス率は、固化材の使用量に見込む材料ロスの割合(%)です。発注者の積算基準や設計書の値を入力します。ロスを見込まないときは 0 を入力します。公の資料にある例は次のとおりです。
| 工種 | ロス率 | 出典 |
|---|---|---|
| 安定処理(バックホウ混合・構造物基礎) | 4 % 相当 | 近畿地方整備局の設計内訳書(100m²あたり使用量が 1.04 倍) |
| スラリー撹拌工 | 10 % 相当 | 奈良国道事務所・淀川河川事務所の設計書(1.10 倍) |
| 中層混合処理工 | 6 % | 土木工事数量算出要領 8.3(K:ロス率 +0.06) |
| 路床安定処理(砂質土・処理厚 50 cm 未満) | 15 % | 静岡県の土木工事積算資料 |
| 路床安定処理(砂質土・処理厚 50 cm 以上) | 20 % | 静岡県の土木工事積算資料 |
| 路床安定処理(粘性土・処理厚 50 cm 未満) | 15 % | 静岡県の土木工事積算資料 |
| 路床安定処理(粘性土・処理厚 50 cm 以上) | 30 % | 静岡県の土木工事積算資料 |
静岡県の土木工事積算資料(令和7年度)は、固化材使用量を算出する場合の割増率を、土質と処理厚で分けた表(上の4行)を標準とし、バックホウ混合も同じ割増率としています。同じ固化材でも、発注者と工種でロス率が違います。
ロス率で使用量はどれだけ変わるか
300 m² × 0.5 m(体積 150.00 m³)を添加量 60 kg/m³ で改良するとき、ロスを含まない量は 9.000 t です。ロス率ごとの使用量は次のとおりです。
| ロス率 | 倍率 | 使用量 | ロスの分 |
|---|---|---|---|
| 0 % | 1 | 9.000 t | 0.000 t |
| 4 % | 1.04 | 9.360 t | 0.360 t |
| 6 % | 1.06 | 9.540 t | 0.540 t |
| 10 % | 1.1 | 9.900 t | 0.900 t |
| 15 % | 1.15 | 10.350 t | 1.350 t |
| 20 % | 1.2 | 10.800 t | 1.800 t |
| 30 % | 1.3 | 11.700 t | 2.700 t |
ロス率 4 % と 30 % では、同じ改良でも 2.340 t 違います。積算では発注者の基準の値を使います。
ロスを含む数と含まない数
国の積算の資料には、ロスを含む数と含まない数があります。
- ロスを含む: 安定処理工の「固化材の使用量(t/100m2 当り)」(土木工事数量算出要領 2.2.1)、自走式土質改良工の「固化材の使用量(kg/m3 当り)」(同 2.2.2)、施工パッケージ型積算基準の「固化材100m2当り使用量」(実数量=材料ロスを含んだ数量)
- ロスを含まない: スラリー撹拌工の杭長1m当り改良材使用量 v(V を求めるときに(1+K)を掛ける)、中層混合処理工の 1 m³ 当りの改良材の量 v
設計図書の値が 1 m³ あたりのロスを含む使用量(kg/m³)なら、その値を添加量に入力し、ロス率は 0 にします。ロスを含まない添加量なら、ロス率を入力します。100 m² あたりの使用量(t)しか分からないときは、このアプリの「100 m² あたり」と比べて確かめます。
このアプリのロス率の欄
このアプリのロス率には既定値がありません。空欄のままだと計算しないので、ロスを見込まないときも 0 を入力します。ロス率は 0 % から 100 % まで入力でき、入力した値は使用量の下に「ロス率 ◯% を含みます」と表示します。
出典
- 国土交通省 近畿地方整備局 福井河川国道事務所「国道8号上安田チェーン着脱場整備他工事 工事設計書(公表資料)」設計内訳書 構造物基礎安定処理工(令和2年7月)
- 国土交通省 近畿地方整備局 奈良国道事務所「大和北道路美濃庄町地区改良工事 工事設計書(公表資料)」スラリー撹拌工(令和7年3月)
- 国土交通省 近畿地方整備局 淀川河川事務所「R7下島地区高規格堤防地盤改良工事 工事設計書(公表資料)」スラリー撹拌工(令和8年3月)
- 国土交通省「令和8年度 土木工事数量算出要領」第1編 2.2.1 安定処理工・8.2 スラリー撹拌工・8.3 中層混合処理工
- 国土交通省「施工パッケージ型積算基準」(平成24年10月1日以降入札を行う工事から適用)③安定処理工
- 静岡県交通基盤部「令和7年度 土木工事積算資料」2.路床安定処理工
改良する体積と添加量から、固化材のトン数と袋数