差圧式流量計で、流量を求めるのに開平演算を使う理由です。
流量は差圧の 1/2 乗
長野計器の多機能デジタル差圧計 GC50 のカタログは、流量・流速の表示(D)が、印加差圧(P)に対して 1/2 乗の関係になるとして、次の式を書いています。
差圧が 4 分の 1 なら流量は 2 分の 1、差圧が 100 分の 1 なら流量は 10 分の 1 です。差圧の信号(4-20mA)は差圧に比例するので、そのまま流量の目盛りで読むと合いません。そこで平方根を計算して(開平演算)、流量に比例する値に直します。エム・システム技研の開平演算器 MS3513 の式 X = 10 × √Y は、この関係を 0〜100 % の信号で書いた物です(開平演算の計算式)。
開平しないで読むと
差圧の信号を直線のまま流量として読んだときと、開平したときの比較です。直線で読んだ値は、差圧の % と同じです(開平は X = 10 × √Y・ドロップアウトなし)。
| 差圧の信号(mA) | 直線で読む(%) | 開平する(%) |
|---|---|---|
| 4.160 | 1 | 10 |
| 4.640 | 4 | 20 |
| 5.000 | 6.25 | 25 |
| 6.000 | 12.5 | 35.36 |
| 8.000 | 25 | 50 |
| 12.000 | 50 | 70.71 |
| 16.000 | 75 | 86.6 |
| 20.000 | 100 | 100 |
8 mA は直線で読むと 25 % ですが、開平すると 50 % です。差圧の % が小さいほど、2つの差は大きくなります。差圧式流量計の流量を 4-20mA で換算するときは、その信号が開平の前か後かを先に確かめます。
演算係数 K の求め方(GC50 の例)
GC50 のカタログの例は、検出エレメントの最大流量 120 L/min のときの差圧が 8 kPa で、10 kPa レンジの差圧センサを使う場合です。8 kPa は 10 kPa の 80 % なので、K = 120 ÷ √(80 ÷ 100)= 134.16 で、カタログは「120 ≒ 134 × √(80 %/100 %)」と書いています。K は、差圧センサのレンジの 100 % に当たる流量です。
このアプリで同じ計算をするときは、特性を「開平(差圧から流量)」にして、レンジを 0〜134.16 L/min にします。差圧の信号が 80 %(4-20mA なら 16.800 mA)のとき、流量は 119.9964 L/min(≒ 120 L/min)です。
開平を2回かけない
開平演算器や、開平演算の機能を持つ計器で開平した後の信号(流量に比例する信号)に、もう一度開平をかけると、流量を大きく読んでしまいます。例えば差圧 25 % を開平した流量 50 % の信号(12 mA)を、もう一度開平すると 10 × √50 = 70.71 % になります。
このアプリで換算するときも、信号が開平の前(差圧に比例)なら特性を「開平」、開平の後(流量に比例)なら「直線」にします。