断面の形が変わる区間では、平均断面法の土量は実際より大きくなることがあります。
平均断面法が実際の体積と同じになる形
平均断面法は、両端の断面積の平均に距離を掛けます。断面積が距離に対して直線的に(一定の割合で)変わる形では、この値は実際の体積と同じです。断面が同じまま続く形(角柱)と、幅が一定で深さだけが直線的に変わる形(くさび形)がこれに当たります。
例えば幅 4.0 m の溝で、深さが 2.0 m から 0 m まで 20.0 m の間で直線的に浅くなる形は、断面積が 8.0 m² から 0 m² に変わります。平均断面法では(8.0 + 0)÷ 2 × 20.0 = 80.0 m³ で、くさび形の体積 1/2 × 8.0 × 20.0 = 80.0 m³ と同じです。
角錐台・錐体の形では大きめになる
断面の幅と高さが両方とも直線的に変わる形(両端の断面が相似の角錐台)の体積は、高さ(距離)L、両端の面積 A1・A2 で次の式です。
A1 と A2 の単位は m²、L は m、体積は m³ です。
| 形(A1・A2・L) | 平均断面法 | 角錐台・錐体の式 |
|---|---|---|
| 角錐台(40.0・10.0・20.0) | 500.0 | 466.7 |
| 錐体(40.0・0・20.0) | 400.0 | 266.7 |
角錐台の例の差は 33.3 m³(20.0 ÷ 6 ×(√40 − √10)² = 20.0 ÷ 6 × 10)です。錐体の形では、平均断面法の値は錐体の体積の1.5倍になります。差は両端の断面積の違いが大きいほど大きく、両端の断面積が同じなら 0 です。
区間を短くすると差は小さくなる
同じ錐体(底の面積 40.0 m²・高さ 20.0 m)でも、途中の断面を測って区間を分けると、平均断面法の値は錐体の体積(266.7 m³)に近づきます。途中の断面積は、頂点からの距離の2乗に比例します。
| 区間の分け方 | 断面積(m²) | 土量(m³) |
|---|---|---|
| 1区間(20.0 m) | 40.0・0 | 400.0 |
| 2区間(10.0 m ごと) | 40.0・10.0・0 | 300.0 |
| 4区間(5.0 m ごと) | 40.0・22.5・10.0・2.5・0 | 275.2 |
切土と盛土の境(断面積が 0 になる所)の近くや、地形が大きく変わる所では、測点の間で断面の形が大きく変わるので、この差が出やすくなります。
平均断面法以外の方法
要領は、体積の計算を「数学公式によるほか」平均断面法で算出するとしています。形の分かっている構造物の土量は、数学公式(錐体の式など)でも求められます。土工の数量は、平均断面法か「3次元モデルによる数量算出方法」によることが標準です。
3次元モデルによる方法は、3次元 CAD ソフトなどで、2つの面データ(現地盤と計画の面など)の差から体積を求めます。要領が挙げている方式は次の3つ(ほかに結果を確認できるもの)で、数量算出に用いる点群やサーフェスのメッシュは 50cm 間隔以下の密度とします。
- 点高法: 2つの面データに重ねたメッシュ(等間隔)の交点で標高差を求め、メッシュの面積を掛けて合計する(4点平均法・1点法)。
- TIN 分割を用いて求積する方法: 三角形の網(TIN)の水平面積と、基準面からの高低差の平均を掛けて合計する。
- プリズモイダル法: 2つの面データの点を互いに投影して作り直した三角網で、三角形の水平面積と高低差を掛けて合計する。