風量は回転数の比に、静圧は2乗に、軸動力は3乗に比例します。
相似則の式
環境省「温室効果ガス排出削減等指針」対策の個票「排気量可変排気ファンの導入」は、風量・静圧・軸動力と回転数の関係を、次の式で表しています。
- N:回転数(min⁻¹)
- Q:風量(m³/min)
- P:静圧(Pa)
- L:軸動力(kW)
- 添え字1は変更前、2は変更後
同じ個票は「ファンの風量は回転数に比例する。また、誘導モータの軸動力は、理論上モータの回転数の3乗に比例する。したがって、回転数を80%に下げると風量を80%にすることができ、軸動力は51.2%(=0.8³)となる。」と書いています。軸動力については「軸動力とは、ファンを運転するために必要となる動力のことである。」としています。
回転数の比と、風量・静圧・軸動力の比
回転数を 100% から 50% まで下げたときの、風量・静圧・軸動力の比です。上の式で計算した理論値で、小数第1位で四捨五入しています。
| 回転数 | 風量 | 静圧 | 軸動力 |
|---|---|---|---|
| 100.0% | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
| 90.0% | 90.0% | 81.0% | 72.9% |
| 80.0% | 80.0% | 64.0% | 51.2% |
| 70.0% | 70.0% | 49.0% | 34.3% |
| 60.0% | 60.0% | 36.0% | 21.6% |
| 50.0% | 50.0% | 25.0% | 12.5% |
回転数を 90% にするだけで、軸動力は 72.9%(変更前より 27.1% 少ない)になります。回転数を半分にすると、風量は半分、静圧は4分の1、軸動力は8分の1です。
式の読み方
添え字の1は回転数を変える前、2は変えたあとです。個票の注は「添え字1は回転数引下げ前、2は回転数引下げ後」と書いています。同じ個票は「ファンの風量は回転数に比例する。」と書いていて、比例の関係は回転数を上げるときも同じなので、このアプリは上げるときも同じ式で計算します。
風量・静圧・軸動力の比は、回転数の比を1回・2回・3回掛けた数です。回転数の比が 0.8 なら、風量は 0.8、静圧は 0.8 × 0.8 = 0.64、軸動力は 0.8 × 0.8 × 0.8 = 0.512 です。
式は比で書いてあるので、変更前と変更後を同じ単位で入力すれば、風量を m³/h で、回転数を周波数(Hz)で入力しても同じ計算になります。周波数で計算できる理由は「インバーターの周波数と回転数」の話題に書きました。
この式で計算できないこと
- ダンパーやベーンで風量を絞るとき(ファンの回転数が変わらないので、式の N2 / N1 が 1 のままです)
- 羽根車の径や形を変えるとき(個票の式は、同じファンの回転数を変えたときの式です)
- 消費電力(モーターとインバーターの効率が入ります。「ファンのインバーター省エネの計算」の話題に書きました)