リンク数を決めたら、軸間距離をその数で計算し直します。
歯数と軸間距離から、ローラチェーンのリンク数と長さ
軸間距離の式
リンク数 Lp が決まっているときの軸間中心距離は、次の式で求めます(ミスミの技術データ (2))。
Cp はピッチの数なので、ピッチを掛けると mm になります。大同工業の資料は、同じ式を 2 で約した形(1/4 × {Lp − (N1+N2)/2 + √((Lp − (N1+N2)/2)² − 2/π² × (N2−N1)²)})で書いています。
ミスミの技術データは、軸間距離を計算し直す理由を次のように書いています。
ローラチェーンの所要長さ計算式で得られるピッチ数は、任意の軸間距離と合致する事は殆どなく近似値にすぎないので所要全長より両軸中心距離を再度精密に計算します。
計算の例(70 リンク)
- 2Lp − N1 − N2 = 2 × 70 − 57 − 19 = 64
- Cp = 1/8 × {64 + √(4,096 − 8/π² × 38²)} = 14.761
- 軸間距離 = 14.761 × 25.4 = 374.9 mm
入力した 350 mm から計算した Lp = 68.2135 をこの式に代入すると、350 mm に戻ります。リンク数を整数に切り上げた分だけ、軸間距離が長くなります。
リンク数ごとの軸間距離
80・57 歯と 19 歯のとき、リンク数を変えると軸間距離は次のようになります。スプロケットの外径(JIS B 1802 の基準寸法)は 475.6 mm と 167.5 mm で、その和の半分 321.5 mm より短い軸間距離では、スプロケットどうしが当たります。
| リンク数 | Cp | 軸間距離(mm) | 外径どうし |
|---|---|---|---|
| 64 | 11.395 | 289.4 | 当たる |
| 66 | 12.542 | 318.6 | 当たる |
| 68 | 13.661 | 347.0 | 当たらない |
| 69 | 14.213 | 361.0 | 当たらない |
| 70 | 14.761 | 374.9 | 当たらない |
| 72 | 15.846 | 402.5 | 当たらない |
| 74 | 16.919 | 429.7 | 当たらない |
軸間距離を変えられないとき
軸間距離を変えられないときは、アイドラーやチェーンテンショナでチェーンのたるみを取り除きます(大同工業 p.121)。ミスミの技術データ(据付方法)も、荷重が変動する場合は「チェーンの張側またはたわみ側にテンショナを付け、あらかじめ初張力を与えておきますと、運転時のチェーンの振動を除去し、騒音が小さくなります」としています。
リンク数が少なすぎるとき
(2Lp − N1 − N2)² が 8/π² × (N1 − N2)² より小さいと、√ の中が負になり、式が成り立ちません。この歯数にはチェーンが短すぎるということです。上の例で 40 リンクとすると、2Lp − N1 − N2 = 4 で、4² = 16 が 8/π² × 38² = 1,170.5 より小さいので、計算の画面は「このリンク数では掛けられません」と表示します。
出典
歯数と軸間距離から、ローラチェーンのリンク数と長さ