146-3表の式で、周囲温度と絶縁体の材料から補正係数を求めます。
許容電流補正係数は、周囲温度と絶縁体の材料で決まる係数です。電技解釈の 146-3表は、絶縁体の材料(と、ふっ素樹脂・けい素ゴムでは施設場所の区分)ごとに計算式を決めています。θ は周囲温度(℃)で、30 ℃ 以下のときは 30 とします(146-3表の備考)。
| 絶縁体の材料及び施設場所の区分(146-3表) | 許容電流補正係数の計算式 |
|---|---|
| ビニル混合物(耐熱性を有するものを除く。)及び天然ゴム混合物 | √((60 − θ) ÷ 30) |
| ビニル混合物(耐熱性を有するものに限る。)、ポリエチレン混合物(架橋したものを除く。)及びスチレンブタジエンゴム混合物 | √((75 − θ) ÷ 30) |
| エチレンプロピレンゴム混合物 | √((80 − θ) ÷ 30) |
| ポリエチレン混合物(架橋したものに限る。) | √((90 − θ) ÷ 30) |
| ふっ素樹脂混合物(障害のおそれが無い場所・接触防護措置あり) | 0.9 × √((200 − θ) ÷ 30) |
| ふっ素樹脂混合物(その他の場合) | 0.9 × √((90 − θ) ÷ 30) |
| けい素ゴム混合物(障害のおそれが無い場所・接触防護措置あり) | √((180 − θ) ÷ 30) |
| けい素ゴム混合物(その他の場合) | √((90 − θ) ÷ 30) |
周囲温度ごとの補正係数
146-3表の式で求めた補正係数です(小数3桁)。30 ℃ のとき、ビニルは 1、耐熱ビニルは √(45 ÷ 30) = 1.225 です。
| 絶縁体 | 30 ℃ | 35 ℃ | 40 ℃ | 45 ℃ | 50 ℃ | 55 ℃ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ビニル(IV など)・天然ゴム | 1.000 | 0.913 | 0.816 | 0.707 | 0.577 | 0.408 |
| 耐熱ビニル(HIV など)・ポリエチレン | 1.225 | 1.155 | 1.080 | 1.000 | 0.913 | 0.816 |
| エチレンプロピレンゴム | 1.291 | 1.225 | 1.155 | 1.080 | 1.000 | 0.913 |
| 架橋ポリエチレン | 1.414 | 1.354 | 1.291 | 1.225 | 1.155 | 1.080 |
式の数(60・75・80・90)
式の 60 と 75 は、IV と HIV のカタログにある導体最高許容温度(IV 60 ℃・HIV 75 ℃)と同じ数です(住電HSTケーブルのカタログ)。146-1表・146-2表の値は、ビニルを周囲温度 30 ℃ で使うときの値と同じで、IV のカタログの周囲温度 30 ℃ の許容電流も、表と同じ数です。
式は √ なので、周囲温度が上がって √ の中が半分になると、係数は約 0.71 倍(1 ÷ √2)になります。ビニルでは 45 ℃ で √((60 − 45) ÷ 30) = 0.707、55 ℃ で 0.408 です。周囲温度が式の数(ビニルなら 60)以上になると、√ の中が 0 以下になり、許容電流は計算できません。
ふっ素樹脂とけい素ゴム
ふっ素樹脂混合物とけい素ゴム混合物は、施設場所の区分で式が替わります。大きい方の式(ふっ素樹脂 200・けい素ゴム 180)を使えるのは、146-3表の「電線又はこれを収める線ぴ、電線管、ダクト等を通電による温度の上昇により他の造営材に障害を及ぼすおそれがない場所に施設し、かつ、電線に接触防護措置を施す場合」です(上の表と計算の画面では「障害のおそれが無い場所・接触防護措置あり」と短く書いています)。それ以外は「その他の場合」で、どちらも 90 の式です。
ふっ素樹脂の式には 0.9 が掛かっています。周囲温度 30 ℃ で、その他の場合は 1.273、大きい方の式では 2.142 です。けい素ゴムの式には 0.9 は掛かりません。
どの絶縁体の式か
電技解釈 第5条の 5-2表は、600V ビニル絶縁電線の絶縁体をビニル混合物、600V ポリエチレン絶縁電線をポリエチレン混合物、600V ふっ素樹脂絶縁電線をふっ素樹脂混合物、600V ゴム絶縁電線を天然ゴム混合物・スチレンブタジエンゴム混合物・エチレンプロピレンゴム混合物・けい素ゴム混合物としています。IV(JIS C 3307)はビニル、HIV(JIS C 3317・2種ビニル絶縁電線)は耐熱ビニルの絶縁体です(住電HSTケーブルのカタログ)。