ベルト長さの式に入れる径は、プーリの外径ではなくピッチ径です。
プーリ径と軸間距離からベルトの長さ
ピッチ径とは
ピッチ径は、ベルトのピッチ周長を測る位置(Vベルトでは dp ライン)の円の直径で、ベルト長さの式の Dp・dp です。Vベルトの長さは、長さを測るプーリの dp ライン(ピッチ径の位置)を結ぶ長さで表すので、ピッチ径で計算した長さを、そのままベルトの長さと比べられます。プーリは「プーリー」とも書きます。このアプリは、ベルトのメーカーの設計資料と同じ「プーリ」と書いています。
Vプーリの外径とピッチ径との差
Vプーリの外径はピッチ径より大きく、その差はベルトの形で決まります(Vベルト伝動 設計資料 表2-1-2)。外径を測ったときは、この差を引いた値をピッチ径として入力します。
| ベルトの形 | M | A | B | C | D | E |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 外径とピッチ径との差(mm) | 5.4 | 9.0 | 11.0 | 14.0 | 19.0 | 25.4 |
例: A形のプーリで外径が 104 mm なら、ピッチ径は 104 − 9.0 = 95.0 mm です。
小プーリの推奨最小ピッチ径
プーリ径が小さくなると、ベルトが曲がるときの応力が大きくなり、伝動効率が下がるだけでなく、耐久力も大きく下がります。三ツ星ベルトの資料は、小プーリはできるだけ推奨最小ピッチ径以上を使うようにとしています(表2-1-1)。
| ベルトの形 | M | A | B | C | D | E |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 推奨最小ピッチ径(mm) | 50 | 95 | 150 | 224 | 355 | 560 |
| 許容最小ピッチ径(mm) | 40 | 67 | 118 | 180 | 300 | 450 |
Vベルトの計算例の小プーリ 95 mm は、A形の推奨最小ピッチ径です。
回転比とピッチ径
回転比は、大プーリのピッチ径を小プーリのピッチ径で割った数です(Vベルト伝動 設計資料 p.32)。小プーリ 95 mm・大プーリ 190 mm なら 190 ÷ 95 = 2 で、2:1 の減速です。小プーリの径を決めてから、回転比で大プーリの径を決めます。
タイミングプーリのピッチ径
タイミングプーリは、カタログに歯数ごとのピッチ径が載っています。タイミング伝動 設計資料の計算例は、40 歯のプーリをピッチ径 φ101.86 mm、44 歯のプーリを φ112.05 mm として計算しています。タイミングプーリの外径はピッチ径とは違うので、外径を測った数を入力せず、カタログのピッチ径を入力してください。
出典
- 三ツ星ベルト「Vベルト伝動 設計資料」(V803-C)p.32「Vベルト設計手順」(表2-1-1・表2-1-2・概略ベルトピッチ周長)
- 三ツ星ベルト「Vベルト伝動 設計資料」(V803-C)p.12「ベルトの長さの測定方法」
- 三ツ星ベルト「タイミング伝動 設計資料」(V802-C)設計編 p.50「設計計算例」(ベルト長さと軸間距離・接触角度)
どれも三ツ星ベルトの設計資料で、ミスミのデジタルカタログに PDF で載っています。サイズ表は載せていません。式と、計算例の数だけを引いています。
プーリ径と軸間距離からベルトの長さ