三ツ星ベルトの設計資料の計算例を、このアプリの式で計算し直しました。
プーリ径と軸間距離からベルトの長さ
タイミングベルトの例(40歯と44歯・暫定軸間距離 380 mm)
小プーリ 40 歯(ピッチ径 φ101.86 mm)、大プーリ 44 歯(ピッチ径 φ112.05 mm)、暫定軸間距離 380 mm の例です(タイミング伝動 設計資料 p.50〜52)。このアプリで計算した数と、出典の数を並べます。
| 項目 | このアプリ | 出典 |
|---|---|---|
| ベルト長さ(軸間距離 380 mm) | 1,096.08 mm | 1,096.08 |
| b(ベルト長さ 1,080 mm) | 1,487.98 | 1,487.98 |
| 軸間距離(ベルト長さ 1,080 mm) | 371.96 mm | 371.96 |
| 小プーリの接触角 | 178.4° | 178.4° |
| スパン長さ | 371.93 mm | 371.93 |
| 軸間距離(ベルト長さ 1,120 mm) | 391.96 mm | 391.97 |
暫定軸間距離で求めたベルト長さは 1,096.08 mm(2 × 380 + 336.01 + 0.07)です。出典は、これに近い標準ベルト 1,080 mm(135 歯)を選び、そのときの軸間距離を 371.96 mm(372 mm)としています。タイミングベルトの歯数はピッチ周長をピッチで割った数で、1,080 ÷ 135 = 8 mm がこのベルトの歯のピッチです。
1,120 mm のベルトを選んだときの軸間距離は、出典の注記では 391.97 mm(392 mm)です。式のとおり計算すると 391.96 mm で、0.01 mm の違いは途中の丸めの違いです。整数に丸めた 392 mm は同じです。
出典は続けて、小プーリのかみ合い歯数を Zm = 歯数 × θ ÷ 360 = 40 × 178.4 ÷ 360 = 19.8 歯(小数点以下を切り捨てて 19 歯)と求めています。かみ合い歯数はベルト幅の設計に使う数で、このアプリは計算しません。
Vベルトの例(A形・プーリ 95 mm と 190 mm)
小プーリのピッチ径 95 mm(A形の推奨最小ピッチ径)、大プーリ 190 mm(回転比 2:1)、暫定軸間距離 約 300 mm の例です(Vベルト伝動 設計資料 p.34)。
| 項目 | このアプリ | 出典 |
|---|---|---|
| 概略ベルトピッチ周長(300 mm) | 1,047.5 mm | 1,047.5 |
| 正確な式のベルト長さ(300 mm) | 1,055.2 mm | — |
| b(A41・1,041 mm) | 1,186.64 | 1,187 |
| 軸間距離(A41・1,041 mm) | 292.8 mm | 292.9(293) |
出典は、概略ベルトピッチ周長 1,047.5 mm に最も近い標準ベルトとして A41(標準ベルトピッチ周長 1,041 mm)を選び、軸間距離を 293 mm としています。出典の計算例は、この段だけ π を 3.14 として b = 1,187、軸間距離 292.9 mm と計算しています。このアプリは π = 3.1416 なので 292.8 mm になりますが、整数に丸めた 293 mm は同じです。
計算例から分かること
暫定軸間距離で求めたベルト長さ(1,096.1 mm・1,055.2 mm)と、実際に選んだ標準ベルト(1,080 mm・1,041 mm)は違います。短いベルトを選べば軸間距離は暫定より短く(372.0 mm・292.8 mm)なり、長いベルトを選べば長くなります。選んだベルトの軸間距離が、モーターの台で調整できる範囲に入るかを、「軸間距離(ベルト長さから)」で確かめます。
出典
- 三ツ星ベルト「タイミング伝動 設計資料」(V802-C)設計編 p.50「設計計算例」(ベルト長さと軸間距離・接触角度)
- 三ツ星ベルト「タイミング伝動 設計資料」(V802-C)設計編 p.52「設計計算例」(スパン長さ・たわみ代)
- 三ツ星ベルト「Vベルト伝動 設計資料」(V803-C)p.34「Vベルト設計計算例」
どれも三ツ星ベルトの設計資料で、ミスミのデジタルカタログに PDF で載っています。サイズ表は載せていません。式と、計算例の数だけを引いています。
プーリ径と軸間距離からベルトの長さ