ベルト長さ Lp の式と、その逆の軸間距離 C・接触角・スパン長さの式です。
プーリ径と軸間距離からベルトの長さ
ベルト長さの式
2C は2つのプーリの間のまっすぐな部分(両側)、π/2 × (Dp+dp) は2つのプーリに巻き付く部分、(Dp−dp)² ÷ 4C は大小の径が違うことによる補正です。大と小が同じ径なら補正は 0 で、ベルト長さは 2C + π × D です(例: 200 mm の2つ・軸間距離 500 mm で 1,628.32 mm)。
- Lp: ベルトピッチ周長(mm)
- C: 軸間距離(mm)
- Dp: 大プーリピッチ径(mm)
- dp: 小プーリピッチ径(mm)
- θ: 小プーリ接触角(°)
- Ls: スパン長さ(mm)
- Lp'・C': 概略ベルトピッチ周長・暫定軸間距離(mm)
- π: 3.1416
軸間距離の式(ベルト長さから逆に求める)
ベルト長さの式の両辺に 4C を掛けて整理すると 8C² − 2bC + (Dp−dp)² = 0 になります。これを C について解いた大きいほうの根が、この式です。√ の中が負になるときと、計算した軸間距離が (Dp+dp) ÷ 2 以下のとき(ピッチ円どうしが重なる)は、そのベルト長さでは掛けられません。
例: プーリ 101.86 mm と 112.05 mm・ベルト長さ 1,080 mm なら、b = 2 × 1,080 − π × (112.05+101.86) = 1,487.98、C = 371.96 mm です。
小プーリの接触角とスパン長さの式
π は出典の記号の説明のとおり 3.1416 で計算します。接触角の式の 57.3 は、180 ÷ π を丸めた数です(出典の式のまま)。接触角は小さいほうのプーリの角度で、大と小が同じ径なら 180° です。スパン長さは、軸間距離 C を斜辺、径の差の半分 (Dp−dp) ÷ 2 を1辺とする直角三角形の残りの辺の長さで、ベルトの張りを確かめるときに、スパンの中央を押し込む量(たわみ代)の元になります。三ツ星ベルトのタイミングベルトの計算例では、たわみ代 δ = 1.6 × Ls ÷ 100 = 1.6 × 371.93 ÷ 100 ≒ 5.95 mm を 6 mm としています。
概略ベルト長さの式
概略ベルト長さは、正確な式の (Dp−dp)² ÷ 4C の項を省き、π/2 を 1.57 にした式です。Vベルトの設計手順では、暫定軸間距離 C' からこの式で長さの目安を求め、最も近い長さの標準ベルトを選んでから、軸間距離を正確な式で計算し直します。
大小の径の差が大きいほど、正確な式より短くなります。Vベルトの計算例(95 mm と 190 mm・300 mm)では、概略式が 1,047.45 mm、正確な式が 1,055.20 mm で、7.7 mm 違います。径の差が小さいタイミングベルトの計算例では、差は 0.24 mm です。
単位とインチ
長さはどれも mm で入力し、mm で計算します。インチに直した長さは、ピッチ周長を 25.4 で割った数です。π は 3.1416 で計算します(出典の記号の説明の値)。
出典
- 三ツ星ベルト「タイミング伝動 設計資料」(V802-C)設計編 p.54「伝動設計に用いる計算式」
- 三ツ星ベルト「Vベルト伝動 設計資料」(V803-C)p.40「伝動設計に用いる公式一覧表」
- 三ツ星ベルト「Vベルト伝動 設計資料」(V803-C)p.32「Vベルト設計手順」(表2-1-1・表2-1-2・概略ベルトピッチ周長)
- 三ツ星ベルト「タイミング伝動 設計資料」(V802-C)設計編 p.52「設計計算例」(スパン長さ・たわみ代)
どれも三ツ星ベルトの設計資料で、ミスミのデジタルカタログに PDF で載っています。サイズ表は載せていません。式と、計算例の数だけを引いています。
プーリ径と軸間距離からベルトの長さ