曲げの部分の芯の長さに余長を足して、フック部分の長さを出します。
計算の順番
フックの長さは、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版の表5.3.1「鉄筋の折曲げ形状及び寸法」の数と、曲げの形の長さから出します。この道具の計算は次の順番です。
- d を決める。d は呼び名に用いた数です(D13 なら 13 mm)。
- 折曲げ内法直径 D を表5.3.1 から決める(3d・4d・5d 以上)。
- 余長を表5.3.1 から決める(180° は 4d・135° は 6d・90° は 8d 以上。幅止め筋と注1 の所は 4d 以上)。
- 曲げの部分の芯の長さ = π ×(D+d)÷ 2 × 角度 ÷ 180°
- フック部分の長さ = 曲げの部分の芯の長さ + 余長(1 mm に切り上げ)
- 切る長さ = まっすぐな部分 + フック部分の長さ × フックの数
D と余長は、どちらも表では「以上」と書かれた、いちばん小さい値です。足した長さに端数が出たときは 1 mm に切り上げ、表の値を割らないようにしています。
曲げの部分は芯の長さで測る
鉄筋を曲げると、曲げの外側の面は伸び、内側の面は縮みます。太さの真ん中を通る線(芯)の長さは変わらないとみなし、この道具は芯の長さを切る長さにしています。
曲げの内側の円の直径が D なので、芯が通る円の半径は D/2 + d/2 =(D+d)÷ 2 です。180° は円の半分、135° は円の 3/8、90° は円の 1/4 の長さになります。
例えば D13・SD295 の 180° フックは、D = 3 × 13 = 39 mm、芯の半径 =(39 + 13)÷ 2 = 26 mm で、曲げの部分の芯の長さは π × 26 = 81.7 mm です。余長 4d = 52 mm を足すと 133.7 mm、切り上げて 134 mm がフック部分の長さです。
計算の例
表5.3.1 の D と余長で計算した、フック1か所の例です(使う所は主筋・帯筋・あばら筋など)。
| 呼び名・種類・角度 | 曲げの部分 | フック部分 |
|---|---|---|
| D10・SD295・180° D 30・余長 40 mm | 62.8 mm | 103 mm |
| D13・SD295・135° D 39・余長 78 mm | 61.3 mm | 140 mm |
| D16・SD345・90° D 48・余長 128 mm | 50.3 mm | 179 mm |
| D19・SD345・180° D 76・余長 76 mm | 149.2 mm | 226 mm |
| D22・SD390・135° D 110・余長 132 mm | 155.5 mm | 288 mm |
| D25・SD345・90° D 100・余長 200 mm | 98.2 mm | 299 mm |
曲げの部分とフック部分は芯の長さです。フック部分は 1 mm に切り上げています。
切る長さの例
まっすぐな部分の長さを入れると、切る長さも出ます。まっすぐな部分は、曲げの始まりまでの長さです。両端にフックがあるときは、2つの曲げの始まりの間を入れます。
D13・SD295 で、まっすぐな部分 1,000 mm の両端に 180° フックを付けるなら、切る長さは 1,000 + 134 × 2 = 1,268 mm です。曲げたあとの外のり(曲げの外側の面から外側の面まで)は 1,065 mm になります。
使い方
- 呼び名(D10〜D38)を選びます。
- 鉄筋の種類(SD295・SD345・SD390)と曲げの角度(180°・135°・90°)を選びます。
- 幅止め筋、片持ちスラブ先端・壁筋の自由端のフックは「使う所」で選びます(余長が 4d になります)。
- フック部分の長さが大きく出ます。その下に折曲げ内法直径 D と余長、フックの図が出ます。
- 切る長さを出すときは、まっすぐな部分の長さを入れ、フックの数(1か所・2か所)を選びます。
- 式と途中の数、外のりの寸法は「計算の内訳」で見られます。
よくある質問
余長は曲げのどこから測りますか
曲げが終わった所から鉄筋の端までの、まっすぐな部分の長さです。表5.3.1 の図は、どの角度でも曲げの終わりから端までに 4d 以上・6d 以上・8d 以上の寸法を書いています。
フックの長さに曲げの部分は入りますか
入ります。この道具のフック部分は、曲げの始まりから先(曲げの部分+余長)です。公共建築工事標準仕様書の図5.3.1・図5.3.2 で「フック部分」とされている所と同じです。
d は公称直径ですか
いいえ。公共建築工事標準仕様書は、異形鉄筋の径 d を「呼び名に用いた数値」としています(5.3.2(3))。D13 なら 12.7 ではなく 13 mm で計算します。