フライスとエンドミルは工具を回すので、カッタ径で切削速度を求めます。
フライスの切削速度
フライス加工は、工具(カッタ)を主軸で回して削ります。式の D にはカッタ径 DC を代入します(三菱マテリアルの「フライス加工計算式」の記号)。被削材の大きさは式に使いません。
例題
三菱マテリアルの例題は「主軸回転速度350min-1、カッタの外径ø125で切削している」ときで、π = 3.14 として 137.4 m/min です。このアプリの π では 137.44 m/min で、表示は 137.4 m/min です。
キーエンスの例(カッタ径 100 mm・主軸回転速度 400 min⁻¹)は約125.6 m/min です。このアプリの π では 125.66 m/min で、表示は 125.7 m/min です。小数第1位では、π の違いで数が1つ違うことがあります。
カッタの回転数を求める
三菱マテリアルの加工時間の例題(正面フライスの直径 ø200・切削速度 125 m/min)は、主軸回転速度を 200 min⁻¹ として計算しています。式で求めると 1000 × 125 ÷ (3.14 × 200) = 199.04 min⁻¹ です。キーエンスの所要動力の例(カッタ径 Φ250mm・切削速度 80 m/min)は、π = 3.14 で 101.91 min⁻¹ です。
ボールエンドミルの実切削速度
ボールエンドミルは刃先が球の形なので、浅く削るときは、刃が当たる所の直径が工具径 DC より小さくなります。三菱マテリアルの「ボールエンドミル 実切削速度の計算方法」では、切込み ap のときの切込み境界部(Q点)の実切削速度を次の式で求めます(n は工具回転速度)。
2√(ap(DC − ap)) は、切込み境界部(Q点)の直径です。キーエンスの例(工具径 DC Φ20mm・切込み ap 0.5 mm・工具回転速度 127 min⁻¹)では、この直径は 6.24 mm で、実切削速度は 2.49 m/min(資料は約2 m/min)です。同じ条件を工具径 φ20 mm のまま vc = π × D × n ÷ 1000 で計算すると 7.98 m/min で、実切削速度の約 3.2 倍になります。
傾斜面を削るとき(切削角度 α)は、P点の実切削速度を π・DC・sinθ・n ÷ 1000(θ = cos⁻¹((DC − 2ap) ÷ DC) + 90 − α)で求めます。同じ例で α = 30° なら θ = 78.19°、実切削速度は 7.81 m/min(資料は約8 m/min)です。
このアプリの計算の画面は、工具径(外径)で切削速度を求めます。ボールエンドミルの刃が当たる所の切削速度は、この式で確かめてください。
出典
- フライス加工計算式(三菱マテリアル 技術情報): vc = π・DC・n ÷ 1000(DC: カッタ径)・例題・加工時間の例題
- ボールエンドミル 実切削速度の計算方法(三菱マテリアル 技術情報): 実切削速度の式(ap を用いる場合・θ を用いる場合)
- 正面フライス加工の計算式(キーエンス 機械加工計算式集): 切削速度の例(カッタ径 100mm)・所要動力の例の主軸回転速度
- 実切削速度の計算式(キーエンス 機械加工計算式集): 実切削速度の例(ap 0.5mm・DC Φ20mm・127min-1・α 30°)