説明

ネジの下穴径の計算方法(ひっかかり率の式)

おねじの外径とピッチ、ひっかかり率から、タップの下穴径を求める式です。

下穴径の式

タップでめねじを切る前にあける穴が下穴です。OSG の技術資料「ねじ下穴について」は、メートルねじとユニファイねじの下穴径を次の式で求めています。

下穴径 = d − 2 ×(0.541266P)× ひっかかり率 ÷ 100

めねじの内径は下穴径に等しいので、ピッチ・おねじの外径・ひっかかり率を決めれば下穴径が決まります。外径から引く量は、ひっかかり率 100% のとき 2 × 0.541266P = 1.082532P で、ひっかかり率を下げるほど引く量が減り、下穴は大きくなります。

計算の例(M8×1.25)

M8×1.25(並目)で、ひっかかり率 92.4% の下穴径を求めます。

  1. おねじの山の基準高さ = 0.541266 × 1.25 = 0.6766 mm
  2. 外径から引く量 = 2 × 0.6766 × 92.4 ÷ 100 = 1.250 mm
  3. 下穴径 = 8 − 1.250 = 6.750 mm(0.01 mm にして 6.75 mm)

OSG のねじ下穴径表の M8×1.25 の推奨下穴径も 6.75 mm です。同じひっかかり率で M10×1.5 は 8.50 mm、M12×1.75 は 10.25 mm になり、表の推奨下穴径 8.5 mm・10.25 mm と同じです。

下穴径からひっかかり率を求める

ひっかかり率 =(d − 下穴径)÷(2 × 0.541266P)× 100

手元のドリルで下穴をあけたときのひっかかり率は、この式で求めます。M8×1.25 を 6.8 mm のドリルであけると(8 − 6.8)÷(2 × 0.6766)× 100 = 88.7%、6.75 mm なら 92.4% です。ドリルを 0.05 mm 太くしただけで、ひっかかり率は 3.7% 下がります。

使い方

  1. 「求めるもの」で「下穴径」か「ひっかかり率」を選びます。
  2. 呼び径を選びます。M1〜M68 の並目ねじは、ピッチの欄に並目のピッチが設定されます。細目ねじは、ピッチを入力し直します。
  3. 一覧に無い呼び径やユニファイねじは「そのほか(外径を入力)」を選び、おねじの外径とピッチを mm で入力します。
  4. ひっかかり率(%)か、下穴径(mm)を入力します。ひっかかり率が空のときは、92.4%(呼び径 − ピッチ)の候補が表示され、押すと入力されます。
  5. 計算結果の下に、かみ合いの図と、ひっかかり率 100% の下穴径・呼び径 − ピッチの下穴径が表示されます。式と途中の数は「計算の内訳」で見られます。

よくある質問

下穴径は「呼び径 − ピッチ」でよいですか

下穴径を 呼び径 − ピッチ にすると、ひっかかり率はピッチに依らず 92.4% です。OSG の推奨下穴径の表で赤字の並目ねじ(M1〜M68)は、どれもこの下穴径です。ただし、細目ねじには 呼び径 − ピッチ でない推奨下穴径もあります(M15×1.25 は 13.8 mm)。下穴径の上限はめねじの精度で決まるので、めねじの精度(4H・5H・6H)と下穴径の範囲も見てください。

計算した下穴径のドリルが無いときは

手元にある径のドリルで「ひっかかり率」を求め、タップメーカーの下穴径表で、使うめねじの精度の最小下穴径と最大下穴径の間に入るかを確かめます。M8×1.25 なら 6.8 mm のドリルで 88.7% で、OSG の表の 6H の範囲(6.65〜6.91 mm)に入ります。

めねじの内径と下穴径は同じですか

OSG の資料は「めねじの内径は下穴径に等しい」としています。このアプリも、下穴径をそのままめねじの内径として計算します。

転造タップにも使えますか

使えません。このアプリの式は切削タップの下穴径の式で、転造タップの下穴径はタップメーカーの溝なしタップ用の表で選びます(転造タップ(溝なしタップ)の下穴径)。

出典

ネジの下穴を計算する