おねじとめねじがかみ合う高さを、基準山形の高さで割った比率です。
ひっかかり率の決まり
おねじのねじ山とめねじのねじ溝が、かみ合う高さと基準山形の高さとの比率をひっかかり率といいます。OSG の技術資料「ねじ下穴について」は、次の式で表しています。
同じ資料の図1 は、おねじが基準山形の形をしている場合について、かみ合う高さを a = 1/2 ×(D − D1)、おねじの山の基準高さを h として、ひっかかり率 = a ÷ h × 100(%)と描いています。図の D はおねじの外径、D1 はめねじの内径(=下穴径)です。メートルねじとユニファイねじの h は 0.541266P です。
図で見るひっかかり率
ひっかかり率 100%・92.4%・80% のかみ合いを、基準山形の比のとおりに描いた図です。色の点線が下穴の線(めねじの内径)で、a はおねじの外径の線から下穴の線まで、h はおねじの外径の線から 100% の線(灰色の点線)までです。
灰色の所がめねじ、線から下がおねじです。めねじの山の頂は、下穴の線で平らに切れています。
ひっかかり率 100% の下穴径
ひっかかり率 100% は、めねじの山がおねじの山の基準高さいっぱいまでかみ合う下穴です。ひっかかり率 100% の下穴径は d − 1.082532P です。ひっかかり率を下げるほど、下穴は大きくなります。M6×1 なら 4.917 mm、M8×1.25 なら 6.647 mm、M10×1.5 なら 8.376 mm です。これより小さい下穴は、ひっかかり率が 100% を超えます。
ひっかかり率と下穴径の関係
ひっかかり率を 1% 変えると、下穴径は 2 × 0.541266P ÷ 100 = 0.01082532P だけ変わります。ピッチ 1.25 mm なら 0.0135 mm、ピッチ 1.5 mm なら 0.0162 mm です。逆に、ドリルの径を 0.1 mm 変えると、M8×1.25 のひっかかり率は 7.4%、M10×1.5 は 6.2% 変わります。ピッチの細かいねじほど、同じ下穴の差でひっかかり率が大きく動きます。
| ひっかかり率 | M8×1.25 | M10×1.5 |
|---|---|---|
| 100% | 6.647 mm | 8.376 mm |
| 95% | 6.714 mm | 8.457 mm |
| 92.4% | 6.750 mm | 8.500 mm |
| 90% | 6.782 mm | 8.539 mm |
| 85% | 6.850 mm | 8.620 mm |
| 80% | 6.917 mm | 8.701 mm |
下穴を大きくする(ひっかかり率を下げる)と、めねじの精度の上限を超えることがあります。M8×1.25 の 6H の最大下穴径は 6.91 mm(OSG のねじ下穴径表)で、80% の 6.917 mm はこれを超えます。
ひっかかり率の考え方
OSG の資料は「下穴径の大きさは、タッピング作業の難易を大きく左右する」とし、めねじの下穴を加工するときは、ひっかかり率を考えて穴あけをしなければならないとしています。表の推奨下穴径(旧JIS2級めねじ用)は、並目ねじではひっかかり率 92.4% に当たり、下穴径の範囲は精度ごとの最小下穴径と最大下穴径で決まります。