地耐力の意味、長期と短期、記録が2mに届かないとき、指針の式との違いなどに回答します。
SWS試験の Nsw・平板載荷試験から長期許容応力度
地耐力とは何ですか?
このアプリでは、告示第1113号の「地盤の許容応力度」(単位 kN/m²)を地耐力と呼んでいます。告示は、長期に生ずる力に対する値と、短期に生ずる力に対する値を分けて定めています。
長期と短期はどう違いますか?
告示の表では、(3) 項の短期は qa = 60 + 1.2 × Nsw で長期のちょうど2倍、(2) 項の短期は qa = 2qt + 1/3 × N′ × γ2 × Df です。川崎市の手引きは、擁壁などの地盤の許容応力度を「長期に生ずる力に関する」表から求めるとしています。
記録が基礎の底から 2 m に届いていないときは?
告示の Nsw は基礎の底部から下方 2 m 以内の平均なので、このアプリは記録が 2 m に届かないと計算しません。鳥取県の報告書の測点1 は、1.00〜1.22 m の区間の記事に「打撃10〜20回」とあり、最終貫入深さは 1.22 m でした。地表から 2 m の平均にはならないので、このアプリは「記録が基礎の底から 2 m(深さ 2.00 m)に届いていません(今 1.22 m まで)。」と表示します。扱いは設計者が判断します。
Nsw から換算した N 値で、内部摩擦角を求めてよいですか?
川崎市の手引き(第7章)は、砂質土の内部摩擦角を N 値から推定するとき「スクリューウェイト貫入試験から求められる NSW から推定されたN値は、推定を重ねることになるため使用しないこと」としています。このアプリは、内部摩擦角を使う (1) 項の式を計算しません。
小規模建築物基礎設計指針の式と値が違うのはなぜですか?
日本建築学会の Q&A(整理番号 1-22)では、自沈なし・Nsw 50 で、指針の式(qa=30Wsw+0.64Nsw)は 62 kN/m²、告示の式は 60 kN/m² になる例が挙がっています。指針の式は法的拘束力をもつものではなく、法適合は別に確認が要る、と回答しています。このアプリは告示の式で計算します(Nsw 50 で 60.0 kN/m²)。
Nsw が 150 を超える区間はどうなりますか?
告示により 150 として平均に入れます。全部の区間が 150 以上なら、長期許容応力度は上限の 120.0 kN/m² です。
自沈の荷重には何を入力しますか?
記録の荷重 Wsw(kN)です。手動の試験機の荷重は 0.05・0.15・0.25・0.50・0.75・1.00 kN です。2020年の JIS の改正で、ほかの値の荷重でもよくなったので、記録の値をそのまま入力します。
記録が地表から始まっていない(事前削孔)ときは?
2020年の JIS の改正で、硬い表層などでは事前に削孔できることが明記されました(日本建築総合試験所の案内)。このアプリは1行目の区間を地表から数えますが、基礎の底が削孔した深さより深ければ、平均の範囲には削孔した部分が入らないので、計算結果は変わりません。
液状化のおそれがある地盤ではどうなりますか?
告示のただし書きは、地震時に液状化するおそれのある地盤の場合も、沈下などを考慮して有害な損傷・変形・沈下が生じないことを確かめるとしています。このアプリは液状化を判定しません。
出典
- 川崎市「盛土規制法に基づく許可の手引き」関係法令(平成13年国土交通省告示第1113号の写し・p.290〜291)
- 川崎市「盛土規制法に基づく許可の手引き」第7章 地盤調査・地盤改良計画(表7-2・p.88〜89)
- 豊中市「宅地造成等及び擁壁構造計算関係資料(1m超え)」地盤の許容応力度(告示第1113号 第2・p.10〜11)
- 日本建築学会「小規模建築物基礎設計指針」(第2版)質問と回答(2026年6月1日更新・整理番号 1-07・1-22)
- 鳥取県「地盤調査報告書 鳥取砂丘 月面実証フィールド『ルナテラス』地盤調査」(2023年11月・スクリューウエイト貫入試験結果)
- 日本建築総合試験所「GBRC最新情報」Vol.13(2020年11月27日)JIS A 1221 スウェーデン式サウンディング試験方法の改正について
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