基礎の底から2m以内と2〜5mの自沈層について、告示のただし書きと判定を説明します。
SWS試験の Nsw・平板載荷試験から長期許容応力度
自沈とは
スクリューウエイト貫入試験では、ロッドの先のスクリューポイントに 50 N・150 N・250 N・500 N・750 N・1 kN の荷重をかけ、荷重と貫入量の関係を見ます。1 kN の荷重で貫入が止まったら、ロッドを回転させて、回転数と貫入量の関係を見ます(鳥取県の報告書の調査方法の説明)。
回転させずに荷重だけで貫入することを自沈といい、記録にはそのときの荷重 Wsw と、Nsw 0 が残ります。2020年の JIS の改正で、Wsw は 50〜1000 N のほかの値でもよいことになりました(日本建築総合試験所の案内)。
告示のただし書き
告示第1113号 第2 は、表の式で地盤の許容応力度を定めるとしたうえで、次のただし書きを置いています(豊中市の資料の写し)。
ただし、地震時に液状化するおそれのある地盤の場合又は(3)項に掲げる式を用いる場合において、基礎の底部から下方 2m以内の距離にある地盤にスクリューウエイト貫入試験の荷重が 1kN 以下で自沈する層が存在する場合若しくは基礎の底部から下方 2m を超え 5m以内の距離にある地盤にスクリューウエイト貫入試験の荷重が 500N 以下で自沈する層が存在する場合にあっては、建築物の自重による沈下その他の地盤の変形等を考慮して建築物又は建築物の部分に有害な損傷、変形及び沈下が生じないことを確かめなければならない。
確かめる方法は告示には書かれていません。どの方法で確かめるか、地盤の補強や改良を行うかは、設計者が判断します。
このアプリの判定
- 基礎の底から 2 m 以内: Nsw 0 の区間が少しでも入っていれば「あり」です。SWS試験の荷重は 1 kN までなので、Nsw 0 の区間はどれも「荷重が 1kN 以下で自沈する層」です。
- 2 m を超え 5 m 以内: Nsw 0 の区間の行の下に「自沈の荷重 Wsw」の欄が表示されます。入力した荷重が 0.50 kN(500 N)以下なら「あり」です。荷重が未入力の区間があるときは「未確認」と表示します。
- 記録が 5 m に届かないとき: 記録のある深さまでで判定し、「なし(記録の範囲)」と、記録の深さを表示します。記録が基礎の底から 2 m までしか無いときは「記録なし」です。
自沈層があっても、長期許容応力度は (3) 項の式で計算して表示します。そのうえで「沈下などの検討が要ります」と表示します。
判定の例
「地耐力の計算の使い方(SWS試験の記録・平板載荷試験の結果)」の住宅の例(作った記録)で、基礎の底を 0.50 m とすると、2 m 以内の範囲は地表から 0.50〜2.50 m、2 m を超え 5 m 以内の範囲は 2.50〜5.50 m です。
- 2 m 以内: 1.00〜1.50 m に自沈の区間(荷重 1.00 kN と 0.75 kN)があるので「あり」です。
- 2 m を超え 5 m 以内: 3.25〜3.50 m の自沈の荷重が 0.50 kN(500 N 以下)なので「あり」です。この区間の荷重が 0.75 kN なら、500 N を超えるので「なし」になります。
- 0〜0.25 m の自沈(0.75 kN)は、基礎の底より浅いので判定に入りません。
この例の長期許容応力度は 43.8 kN/m² ですが、2 m 以内に自沈層があるので、告示のただし書きにより沈下などの検討が要ります。
出典
SWS試験の Nsw・平板載荷試験から長期許容応力度