説明

平板載荷試験の地耐力の計算(qt と3倍の最大荷重)

告示第1113号の qt の求め方と、試験の最大荷重を長期設計荷重の3倍以上にする例を説明します。

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SWS試験の Nsw・平板載荷試験から長期許容応力度

告示の式

平板載荷試験の結果で地盤の許容応力度を求めるのは、告示第1113号 第2 の表の (2) 項の式です。

長期短期
(2) 項qa = qt + 1/3 × N′ × γ2 × Dfqa = 2qt + 1/3 × N′ × γ2 × Df

qt は「平板載荷試験による降伏荷重度の1/2の数値又は極限応力度の1/3の数値のうちいずれか小さい数値」(kN/m²)です。γ2 は基礎荷重面より上方にある地盤の平均単位体積重量または水中単位体積重量(kN/m³)、Df は基礎に近接した最低地盤面から基礎荷重面までの深さ(m)、N′ は基礎荷重面下の地盤の種類に応じた係数です。

地盤の種類N′
密実な砂質地盤12
砂質地盤(密実なものを除く)6
粘土質地盤3

計算の例

降伏荷重度 200 kN/m²・極限応力度 360 kN/m² なら、200 ÷ 2 = 100.0、360 ÷ 3 = 120.0 で、小さい方の qt は 100.0 kN/m² です(降伏荷重度の 1/2 で決まります)。根入れを見込まなければ、長期許容応力度は 100.0 kN/m²、短期許容応力度は 2qt = 200.0 kN/m² です。

降伏荷重度が 300 kN/m² なら、300 ÷ 2 = 150.0 より 360 ÷ 3 = 120.0 の方が小さいので、qt は 120.0 kN/m²(極限応力度の 1/3 で決まります)です。

根入れの項(1/3 N′γ2Df)と Df=0 の原則

(2) 項の式は、qt に根入れの項 1/3 × N′ × γ2 × Df を加えます。上の例(qt 100.0 kN/m²)で、基礎荷重面下の地盤が「砂質地盤(密実なものを除く)」(N′=6)、γ2=16 kN/m³、Df=0.5 m なら、根入れの項は 1/3 × 6 × 16 × 0.5 = 16.0 kN/m²、長期許容応力度は 116.0 kN/m²、短期許容応力度は 216.0 kN/m² です。

川崎市の手引き(第7章 地盤調査・地盤改良計画)は、擁壁などの地盤の許容応力度について「qa の算出にあたっては、Df=0 を原則とする」としています。このアプリも、初めは根入れを見込まない(Df=0・qa=qt)計算にしています。

試験の最大荷重と3倍

大分県の「直接基礎地盤の平板載荷試験(例)」は、試験の目的が設計荷重を確認することなら、載荷すべき最大荷重を「常時あるいは長期設計荷重の 3 倍程度以上に設定する必要がある」としています。この例では、長期設計支持力 272.6 kN/m² × 3 = 817.8 kN/m² 以上としています。

同じ例では、計画最大荷重を 8 段階に分けて載荷し(1 段 8 kN・最大 901.4 kN/m²)、logP−S 曲線から極限支持力を 863.0 kN/m² と判定して、長期設計支持力 272.6 kN/m² の約 3.1 倍の安全率を確保している、としています。告示の qt も、極限応力度については 1/3 の値を使います。

極限支持力の決め方(大分県の例)

大分県の例は、土質工学会基準「地盤の平板載荷試験方法・同解説」を参考に、次の場合の荷重を極限支持力としています。

  1. 荷重−沈下曲線で、沈下が急激に増大しはじめ、これ以上載荷を増加することが難しく、曲線が沈下軸にほぼ平行となる場合
  2. 試験時に載荷板が大きく傾斜したり、載荷板周辺の地盤に大きなき裂や盛上がりが生じた場合
  3. 沈下が 5 cm(載荷板直径の約15%)を越えない範囲で、荷重−沈下曲線で沈下が直線的に増加し始める荷重と、logP−S 曲線が沈下軸にほぼ平行になり始める荷重のうち、小さい方

平板載荷試験で調べられる深さ

住宅地盤品質協会の資料は、平板載荷試験の応力の影響範囲は一般に載荷板の幅の 1.5〜2.0 倍程度で、よく使う直径 30 cm の載荷板では 45〜60 cm 程度までとしています。応力が届くのは浅い部分なので、評価には十分な注意が要る、ともしています。

出典

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SWS試験の Nsw・平板載荷試験から長期許容応力度