岩手県の細則と八千代市の指針の例題を、手順どおりに計算します。
流出係数・降雨強度・面積から合理式でピーク流量
出典の例題を、計算の画面と同じ式で計算します。数はこのページを作るときに計算した値で、出典に書いてある値と比べられます。
例1 治山の計算例(集水面積 100 ha・岩手県の細則)
岩手県治山事業技術細則の計算例-1 の1(葛巻町・確率年 100 年・集水面積 100 ha)は、浸透能普通母材の森林で、山腹傾斜が (760 − 480) ÷ 700 = 0.40(21.8°)の「斜面」なので、表-1 から流出係数 f = 0.45 としています。洪水到達時間は、流入時間 29.9 分と流下時間 2.3 分の和 32.2 分の小数点以下を切り捨てた 32 分で、シャーマン型の降雨強度式から、洪水到達時間内の雨量強度を r = 80.4 mm/h としています。
- Q = 1/360 × 0.45 × 80.4 × 100
- = 3,618 ÷ 360 = 10.05 m³/s
- Q × 1,000 = 10,050 L/s
細則の値も 10.05(m3/sec)です。
例2 治山の計算例(集水面積 300 ha)
同じ計算例の2(久慈市・集水面積 300 ha)は、山腹傾斜 31.0° の「急峻」で f = 0.55、洪水到達時間 28 分、久野・石黒型の降雨強度式から r = 95.6 mm/h です。
- Q = 1/360 × 0.55 × 95.6 × 300
- = 15,774 ÷ 360 = 43.8167 ≒ 43.82 m³/s
- Q × 1,000 = 43,817 L/s
1/360 × 0.55 × 95.6 × 300 は 43.8167… で、細則は 43.82(m3/sec)と書いています。細則 3-7-4 の「小数第3位四捨五入2位止め」のとおりです。
例3 開発区域 0.22 ha(八千代市の指針)
八千代市雨水流出抑制指針のオリフィスの吐口断面積の算定の計算例は、排水区の流出係数 c = 0.50、降雨強度 i = 50 mm/h、排水面積 a = 0.22 ha で、QA = 1/360 × 0.50 × 50 × 0.22 = 0.015277777 m³/sec としています。
- Q = 1/360 × 0.50 × 50 × 0.22
- = 5.5 ÷ 360 = 0.015278 ≒ 0.0153 m³/s
- Q × 1,000 = 15.3 L/s
このアプリは 0.0153 m³/s(15.3 L/s)と表示します。
例4 降雨強度式から求めた r で計算する(八千代市の指針)
同じ指針の雨水量の算定は、降雨強度を I = 5000 ÷ (40 + t)(5年確率)とし、流達時間を t = t1 + t2 = 5 分 + 2 分 = 7 分としています。流出係数には、工種別の面積から求めた加重平均の 0.70 から、排水区に設定された流出係数 0.50 を引いた 0.20 を使っています。指針は、開発区域の雨水量が開発地域の計画雨水量を越える量について、調整容量を求めるとしています。
- I = 5000 ÷ (40 + 7) = 106.38 mm/h
- Q = 1/360 × 106.38… × 0.20 × 0.22 = 0.013002 m³/s
指針の値は 0.013002364 m³/sec です。計算の画面で降雨強度に 106.383 を入力すると、0.0130 m³/s(13.0 L/s)と表示します。
例5 面積を m² で入力する(特定都市河川浸水被害対策法施行規則の式)
施行規則 第20条の式は、面積 A を m² で書き、10,000 で割ってから 1/360 を掛けます。例3 の 0.22 ha を 2,200 m² として入力すると、次のとおり Q は同じです。
- A ÷ 10,000 = 2,200 ÷ 10,000 = 0.22
- Q = 1/360 × 0.50 × 50 × 0.22
- = 5.5 ÷ 360 = 0.015278 ≒ 0.0153 m³/s
- Q × 1,000 = 15.3 L/s
出典の値と比べる
出典に書いてある Q と、このアプリの表示の Q(どちらも m³/s)です。
| 例題(f・r・A) | 出典の Q | 表示の Q |
|---|---|---|
| 例1 岩手県 計算例-1 の1 f 0.45・r 80.4 mm/h・A 100 ha | 10.05 | 10.05 |
| 例2 岩手県 計算例-1 の2 f 0.55・r 95.6 mm/h・A 300 ha | 43.82 | 43.82 |
| 例3 八千代市 オリフィスの計算例 f 0.50・r 50 mm/h・A 0.22 ha | 0.015277777 | 0.0153 |
| 例4 八千代市 雨水量の算定 f 0.20・r 106.38… mm/h・A 0.22 ha | 0.013002364 | 0.0130 |
| 例5 施行規則の式(例3 を m² で) f 0.50・r 50 mm/h・A 2,200 m² | — | 0.0153 |
八千代市の2つの例の出典の値は、小数点以下を9桁まで書いた値です。このアプリは 1 m³/s 未満を有効数字3桁で表示します。
出典
流出係数・降雨強度・面積から合理式でピーク流量