SMC の技術資料の式(8)〜(14)で、シリンダと配管が1往復で使う空気の量を求めます。
内径・ストローク・使用圧力から空気消費量 L/min
空気消費量の式(8)〜(14)
SMC の技術資料「空気消費量および所要空気量」は、エアシリンダが1往復で使う空気の量を、シリンダの中の分 qc と、切換弁からシリンダまでの配管の中の分 qp に分けて求めます。
| シリンダの形 | 1往復の空気消費量 | 式 |
|---|---|---|
| 複動形 | q = qc1+qp1+qc2+qp2 | (12) |
| 押出し単動形 | q = qc1+qp1 | (13) |
| 引込み単動形 | q = qc2+qp2 | (14) |
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| qc | エアシリンダの空気消費量 | dm³(ANR) |
| qp | チューブまたは配管の空気消費量 | dm³(ANR) |
| q | エアシリンダの1往復当たりの空気消費量 | dm³(ANR) |
| A | エアシリンダのピストン受圧面積 | mm² |
| L | エアシリンダのストローク | mm |
| P | 使用圧力 | MPa |
| l | 切換弁からエアシリンダまでの配管長さ | mm |
| a | 配管の内断面積 | mm² |
添字の 1 は押出し側、2 は引込み側です。複動形は押出し側と引込み側の両方を空気で動かすので、4つの量を合計します。
(P+0.1)/0.1 と 10⁻⁶ の意味
式の 0.1 は大気圧(MPa)です。使用圧力 P はゲージ圧なので、シリンダの中の空気の絶対圧力は P+0.1 MPa です。(P+0.1)/0.1 は、その空気を大気圧に戻したときに体積が何倍になるかを表します(温度が同じなら、気体の体積は圧力に反比例します)。使用圧力 0.5 MPa なら 6 倍、0.6 MPa なら 7 倍です。
A(mm²)× L(mm)は mm³ なので、10⁻⁶ を掛けると dm³ になります。1 dm³ は 1 L です。単位の後ろの(ANR)は、圧縮された空気を大気圧のときの体積に直した量であることを表します。
受圧面積 A1・A2
D はチューブ内径、d はピストンロッドの直径です。A1 は押出し側(ピストンの面積)、A2 は引込み側の受圧面積で、ロッドの断面積の分だけ小さくなります。SMC の理論出力表にあるチューブ内径とロッド径の組で求めると、次のとおりです(理論出力表の受圧面積は、この値を有効数字3桁に丸めた数です)。
| D(mm) | d(mm) | A1(mm²) | A2(mm²) |
|---|---|---|---|
| 20 | 8 | 314.2 | 263.9 |
| 32 | 12 | 804.2 | 691.2 |
| 40 | 16 | 1,256.6 | 1,055.6 |
| 50 | 20 | 1,963.5 | 1,649.3 |
| 63 | 20 | 3,117.2 | 2,803.1 |
| 80 | 25 | 5,026.5 | 4,535.7 |
| 100 | 30 | 7,854.0 | 7,147.1 |
計算の例(1往復)
チューブ内径 50 mm・ロッド径 20 mm・ストローク 100 mm・使用圧力 0.5 MPa(配管なし)なら、A1 = 1,963.50 mm²、A2 = 1,649.34 mm² です。
ストロークが2倍になれば空気消費量も2倍です。ストローク 100 mm 当たりの1往復の空気消費量(複動形・配管なし)は、次のとおりです。
| チューブ内径・ロッド径 | 0.5 MPa(L) | 0.6 MPa(L) |
|---|---|---|
| φ20・8 | 0.3468 | 0.4046 |
| φ32・12 | 0.8972 | 1.047 |
| φ40・16 | 1.387 | 1.619 |
| φ50・20 | 2.168 | 2.529 |
| φ63・20 | 3.552 | 4.144 |
| φ80・25 | 5.737 | 6.694 |
| φ100・30 | 9.001 | 10.5 |
単動形の式(13)(14)
押出し単動形は押出し側だけ(q = qc1+qp1)、引込み単動形は引込み側だけ(q = qc2+qp2)を空気で動かします。スプリングで動く側は空気を使わないので、同じ内径・ストロークの複動形より少なくなります。上の例(φ50・100 mm・0.5 MPa)の押出し単動形は 1.178 L(ANR)で、複動形の 2.168 L(ANR)より少ない量です。
出典
- SMC「エアシリンダの機種選定」技術資料(資料2 空気消費量および所要空気量・資料3 理論出力表): 資料2 の式(8)〜(14)と記号・単位・資料3 理論出力表(チューブ内径とロッド径の組・受圧面積)
内径・ストローク・使用圧力から空気消費量 L/min