説明

軸受の定格寿命と交換時期

基本定格寿命は転がり疲れの計算値で、個々の軸受の交換時期とは異なる。

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定格荷重・等価荷重・回転速度から基本定格寿命

信頼度90%の意味

基本定格寿命は、同じ軸受を同じ条件で多数運転したとき、90 % が転がり疲れによる剥離を生じずに回転できる寿命。平均寿命や、すべての軸受で必ず到達できる寿命とは異なる。個々の軸受には材料の疲れによるばらつきがある。

NTN では、内外輪の軌道面や転動体に発生するスポーリングを基準として寿命を定義する。一方、焼付き、摩耗、割れ、さびなどは別の故障として区別する。基本定格寿命が長く計算されても、こうした故障が発生しないことを保証するものではない。

この計算を適用する条件

一定の動等価荷重・一定の回転速度を前提とする。変動する荷重や速度を算術平均した値へ置き換えるだけでは、条件全体の寿命にならない。信頼度の変更、材料、潤滑、温度、汚染などによる補正・修正も対象外。

NTN A-19には、ラジアル軸受では P が基本静定格荷重 C₀r または0.5Cのいずれかを超える場合、スラスト軸受では P が0.5Cを超える場合に寿命式を適用できないことがあると記載される。このアプリは P が C の半分を超える入力を対象外としている。

範囲内の入力でも適用可否を判定したことにはならない。ラジアル軸受の C₀r は入力項目にないため、P と C₀r の大小は別途照合する。メーカーが定める許容回転速度、静的な負荷能力、潤滑条件、取付けの状態も確認が必要。数値が計算可能な範囲を超えたときは結果を表示しない。

交換計画への使い方

計算結果は、選定時の条件比較や基本定格寿命の再確認に使う。運転時間から単純に引き算して使用済み軸受の残存寿命とするものではない。実際の交換計画には、設備の運転履歴、異音、振動、温度、潤滑状態などの点検情報を併せて判断する。

NSK の説明でも、音・振動・トルク・温度などによって交換する場合が挙げられる。求めた寿命時間だけで交換時期を決めず、設備への適用は設計者・監理者の確認を受ける。異常が見られる軸受を、計算上の寿命まで使用し続ける根拠にはしない。

出典

NTN A-17 3.1・3.2節、A-19の適用条件。NSK「軸受寿命」「転がり疲れ寿命のばらつき」。

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