速度圧の E を、地表面粗度区分ごとの Zb・ZG・α と、ガスト影響係数 Gf の表から求める方法です。
基準風速・地表面粗度区分・高さから速度圧と風圧力
地表面粗度区分ごとの数値
平成12年建設省告示第1454号は、地表面粗度区分ごとに Er の式に代入する Zb・ZG・α と、ガスト影響係数 Gf の値を定めています(町田市・熊本県の案内に載っている告示の表)。Zb・ZG・α は次のとおりです。Gf の表は下の「ガスト影響係数 Gf の求め方」に載せています。
| 区分 | Zb(m) | ZG(m) | α |
|---|---|---|---|
| Ⅰ | 5 | 250 | 0.10 |
| Ⅱ | 5 | 350 | 0.15 |
| Ⅲ | 5 | 450 | 0.20 |
| Ⅳ | 10 | 550 | 0.27 |
地表面粗度区分の決め方(令和4年1月1日から)
令和2年国土交通省告示第1437号による改正(令和4年1月1日施行)で、都市計画区域の内外で異なっていた考え方が1つになり、特定行政庁が規則でⅠ・Ⅱ・Ⅳの区域を定められるようになりました(国土交通省の資料と技術的助言)。今の区分は次のとおりです。
- Ⅰ: 極めて平坦で障害物がない区域として、特定行政庁が規則で定めた区域
- Ⅱ: 海岸線・湖岸線(対岸まで 1,500 m 以上)までの距離が 500 m 以内の地域(建築物の高さが 13 m 以下の場合と、距離が 200 m を超え高さが 31 m 以下の場合を除く)と、極めて平坦で障害物が散在している区域として特定行政庁が規則で定めた区域
- Ⅲ: 地表面粗度区分Ⅰ・Ⅱ・Ⅳ以外の区域
- Ⅳ: 都市化が極めて著しい区域として、特定行政庁が規則で定めた区域
国土交通省の資料は「地表面に建築物や樹木等の障害物が多いほど、風速が低減され、建築物に作用する風圧力も小さくなる」と説明しています。区域を規則で定めていない県もあります。熊本県(熊本市・八代市・天草市を除く)はⅠ・Ⅱ・Ⅳの規則の区域を、山梨県はⅠ・Ⅳの規則の区域を定めていないため、海岸線・湖岸線の近くの地域がⅡ、それ以外がⅢです。
Er の求め方
Er = 1.7 ×(H ÷ ZG)^α(H > Zb)
H が Zb 以下のときは、H がいくつでも Zb の高さで計算するので、Er は区分ごとに決まった値になります。
| 区分 | 式 | Er(H が Zb 以下) |
|---|---|---|
| Ⅰ | 1.7 ×(5 ÷ 250)^0.10 | 1.150 |
| Ⅱ | 1.7 ×(5 ÷ 350)^0.15 | 0.899 |
| Ⅲ | 1.7 ×(5 ÷ 450)^0.20 | 0.691 |
| Ⅳ | 1.7 ×(10 ÷ 550)^0.27 | 0.576 |
熊本県の案内も、H が Zb 以下のときの Er をⅡで 0.90、Ⅲで 0.69 としています(小数第2位までの値)。
ガスト影響係数 Gf の求め方
Gf は、H が 10 m 以下なら表の (1) の値、40 m 以上なら (3) の値、10 m を超え 40 m 未満なら (1) と (3) を直線的に補間した値です。
| 区分 | (1) H 10 m 以下 | (3) H 40 m 以上 |
|---|---|---|
| Ⅰ | 2.0 | 1.8 |
| Ⅱ | 2.2 | 2.0 |
| Ⅲ | 2.5 | 2.1 |
| Ⅳ | 3.1 | 2.3 |
熊本県の案内は、この補間を区分Ⅱで「−H/150 + 34/15」、区分Ⅲで「−H/75 + 79/30」と書いています。上の式と同じ値で、たとえば H 20 m ならⅡが 2.133、Ⅲが 2.367 です。
区分による速度圧の違い(基準風速 34 m/s・H 10 m)
| 区分 | Er | Gf | E | 速度圧 q |
|---|---|---|---|---|
| Ⅰ | 1.232 | 2.0 | 3.036 | 2,106 N/m² |
| Ⅱ | 0.997 | 2.2 | 2.188 | 1,518 N/m² |
| Ⅲ | 0.794 | 2.5 | 1.576 | 1,093 N/m² |
| Ⅳ | 0.576 | 3.1 | 1.029 | 714 N/m² |
Gf は区分Ⅳがいちばん大きい一方、Er が小さいので、E と速度圧は区分Ⅰが最も大きく、区分Ⅳが最も小さくなります。同じ H 10 m でも、区分Ⅰの速度圧は区分Ⅳのおよそ 2.9 倍です。
出典
基準風速・地表面粗度区分・高さから速度圧と風圧力